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出願番号特願2008-0081242008/01/17
国際出願番号
公開番号特開2009-1713132009/07/30
公表/再公表番号
国際公開番号
公告番号
請求公告番号
登録番号特許第5223129号2013/03/22
評価スコア係数
AECIL
引用特開平10-327012, 実公昭46-035954
引用文献
被引用
被引用文献
関係図の参照
発明の名称アンテナ装置
出願人・権利者株式会社国際電気通信基礎技術研究所
発明者・考案者大平昌敬, 三浦周, 太郎丸眞, 上羽正純
代理人松山隆夫
要約

【課題】複数の共振周波数の各々を電気的に独立に可変できるアンテナ装置を提供する。【解決手段】アンテナ装置10は、地板1と、ループ線路2と、導体線路3〜6と、可変リアクタンス素子7〜9と、給電部11とを備える。ループ線路2は、間隙部21を有し、地板1から所定の距離だけ離れ、かつ、地板に略平行な平面内に配置される。導体線路3は、ループ線路2の一方端2Aと給電部11との間に接続される。導体線路4は、ループ線路2の他方端2Bと地板1との間に接続される。導体線路5は、導体線路3と地板1との間に接続される。導体線路6は、導体線路4と地板1との間に接続される。可変リアクタンス素子7〜9は、それぞれ、間隙部21から反時計回りに90度、270度および180度の位置においてループ線路2に装荷される。【選択図】図1
請求の範囲
【請求項1】
複数の共振周波数を実現可能なアンテナ装置であって、
導体からなる地板と、
一部に間隙部を有し、前記地板から離れ、かつ、前記地板に略平行な平面内に配置されたループ線路と、
前記平面内に配置された第1の部分と前記地板に略垂直に配置された第2の部分とを有し、かつ、一方端が前記間隙部における前記ループ線路の一方端に接続され、他方端が前記地板に接続された略L字形状からなる第1の導体線路と、
前記平面内に配置された第3の部分と前記地板に略垂直に配置された第4の部分とを有し、かつ、一方端が前記間隙部における前記ループ線路の他方端に接続され、他方端が給電部に接続された略L字形状からなる第2の導体線路と、
共振モードが切換わると、電流分布が最小と最大との間で切換わる前記ループ線路の位置に装荷された複数の可変リアクタンス素子と、
前記複数の共振周波数の各々を変更するためのリアクタンス値を前記複数のリアクタンス素子に設定する設定回路とを備えるアンテナ装置。
【請求項2】
前記第1の部分は、前記間隙部における前記ループ線路の一方端から前記ループ線路の中心に向かって延伸しており、
前記第3の部分は、前記間隙部における前記ループ線路の他方端から前記ループ線路の中心に向かって延伸している、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記複数の共振周波数は、第1および第2の共振周波数からなり、
前記複数のリアクタンス素子は、
前記第1の共振周波数のみを変更するための第1および第2の可変リアクタンス素子と、
前記第2の共振周波数のみを変更するための第3の可変リアクタンス素子とを含み、
前記第1の可変リアクタンス素子は、前記間隙部から前記ループ線路に沿って約90度回転した位置に装荷され、
前記第2の可変リアクタンス素子は、前記間隙部から前記ループ線路に沿って約270度回転した位置に装荷され、
前記第3の可変リアクタンス素子は、前記間隙部から前記ループ線路に沿って約180度回転した位置に装荷される、請求項1または請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記設定回路は、前記第1の共振周波数のみを変更する場合、前記第3の可変リアクタンス素子のリアクタンス値を固定し、前記第1および第2の可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変更し、前記第2の共振周波数のみを変更する場合、前記第1および第2の可変リアクタンス素子のリアクタンス値を固定し、前記第3の可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変更する、請求項3に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記複数の可変リアクタンス素子は、前記第1および第2の共振周波数を同時に変更可能な第4および第5の可変リアクタンス素子を更に含み、
前記第4の可変リアクタンス素子は、前記間隙部と前記第1の可変リアクタンス素子との間に装荷され、
前記第5の可変リアクタンス素子は、前記第2の可変リアクタンス素子と前記間隙部との間に装荷される、請求項3または請求項4に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記複数の可変リアクタンス素子は、
前記第1の可変リアクタンス素子と前記第3の可変リアクタンス素子との間において前記ループ線路に装荷された第6の可変リアクタンス素子と、
前記第2の可変リアクタンス素子と前記第3の可変リアクタンス素子との間において前記ループ線路に装荷された第7の可変リアクタンス素子とを更に含む、請求項5に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記ループ線路の全長と、前記第1の導体線路の全長と、前記第2の導体線路の全長との和は、前記第1の共振周波数が得られるときの波長の半分であり、
前記ループ線路の全長と、前記第1の部分の全長と、前記第3の部分の全長との和は、前記第2の共振周波数が得られるときの波長に略等しい、請求項3から請求項6のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
【請求項8】
前記ループ線路は、前記ループ線路の中心と前記間隙部とを通る線分に対して対称な形状からなる、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
【請求項9】
一方端が前記第1の部分に接続され、他方端が前記地板に接続された第3の導体線路と、
一方端が前記第3の部分に接続され、他方端が前記地板に接続された第4の導体線路とを更に備える、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
利用分野
【0001】
この発明は、アンテナ装置に関し、特に、複数の共振周波数で動作するアンテナ装置に関するものである。
従来の技術
【0002】
近年、通信環境に応じて、柔軟な機能変更を実現しようとするソフトウェア無線が注目されている。このような無線通信を実現するために、複数の周波数帯で共振周波数を自在に可変できるチューナブルアンテナが求められている。
【0003】
そして、リング共振器にスタブを設け、スタブに可変キャパシタを接続し、容量値に応じてリング共振器の動作周波数を可変させるチューナブルアンテナが開示されている(特許文献1)。
【0004】
また、平面状のアンテナ素子の周縁部に装荷インピーダンスを電気接続してアンテナの共振周波数を変化させる構成が開示されている(特許文献2)。
【0005】
更に、パッチアンテナを導体地板からの高さを変化させて、等価的に比誘電率を変化させることにより、周波数の可変制御を実現する手法が開示されている(非特許文献1)。
【0006】
上述したチューナブルアンテナは、いずれも、動作周波数が1個の周波数であるが、複数の周波数で動作するアンテナを用いて複数の周波数を可変させるチューナブルアンテナが開示されている。例えば、2つの板状逆Fアンテナの周囲に複数のピンを接続したチューナブルアンテナが開示されている(非特許文献2)。そして、これらのピンには、スイッチ回路が接続されており、電気的に短絡、もしくは開放の切替によって2つの整合周波数を変化させることができる。
【0007】
また、デュアルバンドで動作するスロットアンテナにおいて、適切な位置に2個の可変リアクタンス素子を設け、これらの可変リアクタンス素子のリアクタンスを変化させることによって2つの共振周波数を独立に調整する手法が開示されている(非特許文献3)。
【特許文献1】特開2007−142977号公報
【特許文献2】特開平09−307344号公報
【特許文献1】電子情報通信学会 Vol. J86−B, No.4,April 2003,pp.671−676.
【特許文献2】IEEE Transaction on Antennas and Propagation,Vol.52,No.11,Nov.2004,pp.2877−2884.
【特許文献3】IEEE Transaction on Antennas and Propagation,Vol.54,No.2,Feb.2006,pp.401−408.
課題
【0008】
しかし、上述したリング共振器アンテナは、動作周波数が1個の周波数に限られているため、2個以上の周波数帯で周波数可変特性を実現するには、複数のチューナブルアンテナを用意する必要がある。従って、複数のチューナブルアンテナを無線端末に搭載することになり、小型端末への搭載に適さない。
【0009】
また、上述した機械的な構造変化による共振周波数の変化も、チューナブルアンテナを端末に搭載することに不向きであり、電気的変化による共振周波数の変化が好ましい。
【0010】
板状逆Fアンテナのピンの短絡と開放との切り替えでは、共振周波数の可変範囲が狭く、給電回路との整合特性もよくない。
【0011】
これらに対して、スロットアンテナは、デュアルバンドで良好に動作するが、アンテナのサイズが低周波数側の共振周波数で決まるため、アンテナ占有面積が大きくなるという問題がある。
【0012】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、複数の共振周波数の各々を電気的に独立に可変できるアンテナ装置を提供することである。
手段
【0013】
この発明によれば、アンテナ装置は、複数の共振周波数を実現可能なアンテナ装置であって、地板と、ループ線路と、第1の導体線路と、第2の導体線路と、複数の可変リアクタンス素子と、設定回路とを備える。地板は、導体からなる。ループ線路は、一部に間隙部を有し、地板から離れ、かつ、地板に略平行な平面内に配置される。第1の導体線路は、平面内に配置された第1の部分と地板に略垂直に配置された第2の部分とを有し、かつ、一方端が間隙部におけるループ線路の一方端に接続され、他方端が地板に接続された略L字形状からなる。第2の導体線路は、平面内に配置された第3の部分と地板に略垂直に配置された第4の部分とを有し、かつ、一方端が間隙部におけるループ線路の他方端に接続され、他方端が給電部に接続された略L字形状からなる。複数の可変リアクタンス素子は、共振モードが切換わると、電流分布が最小と最大との間で切換わるループ線路の位置に装荷される。設定回路は、複数の共振周波数の各々を変更するためのリアクタンス値を複数のリアクタンス素子に設定する。
【0014】
好ましくは、第1の部分は、間隙部におけるループ線路の一方端からループ線路の中心に向かって延伸しており、第3の部分は、間隙部におけるループ線路の他方端からループ線路の中心に向かって延伸している。
【0015】
好ましくは、複数の共振周波数は、第1および第2の共振周波数からなる。複数のリアクタンス素子は、第1から第3の可変リアクタンス素子を含む。第1および第2の可変リアクタンス素子は、第1の共振周波数のみを変更するための可変リアクタンス素子である。第3の可変リアクタンス素子は、第2の共振周波数のみを変更するための可変リアクタンス素子である。第1の可変リアクタンス素子は、間隙部からループ線路に沿って約90度回転した位置に装荷される。第2の可変リアクタンス素子は、間隙部からループ線路に沿って約270度回転した位置に装荷される。第3の可変リアクタンス素子は、間隙部からループ線路に沿って約180度回転した位置に装荷される。
【0016】
好ましくは、設定回路は、第1の共振周波数のみを変更する場合、第3の可変リアクタンス素子のリアクタンス値を固定し、第1および第2の可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変更し、第2の共振周波数のみを変更する場合、第1および第2の可変リアクタンス素子のリアクタンス値を固定し、第3の可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変更する。
【0017】
好ましくは、複数の可変リアクタンス素子は、第1および第2の共振周波数を同時に変更可能な第4および第5の可変リアクタンス素子を更に含む。第4の可変リアクタンス素子は、間隙部と第1の可変リアクタンス素子との間に装荷される。第5の可変リアクタンス素子は、第2の可変リアクタンス素子と間隙部との間に装荷される。
【0018】
好ましくは、複数の可変リアクタンス素子は、第6および第7の可変リアクタンス素子を更に含む。第6の可変リアクタンス素子は、第1の可変リアクタンス素子と第3の可変リアクタンス素子との間においてループ線路に装荷される。第7の可変リアクタンス素子は、第2の可変リアクタンス素子と第3の可変リアクタンス素子との間においてループ線路に装荷される。
【0019】
好ましくは、ループ線路の全長と、第1の導体線路の全長と、第2の導体線路の全長との和は、第1の共振周波数が得られるときの波長の半分である。また、ループ線路の全長と、第1の部分の全長と、第3の部分の全長との和は、第2の共振周波数が得られるときの波長に略等しい。
【0020】
好ましくは、ループ線路は、ループ線路の中心と間隙部とを通る線分に対して対称な形状からなる。
【0021】
好ましくは、アンテナ装置は、第3および第4の導体線路を更に備える。第3の導体線路は、一方端が第1の部分に接続され、他方端が地板に接続される。第4の導体線路は、一方端が第3の部分に接続され、他方端が地板に接続される。
効果
【0022】
この発明によるアンテナ装置においては、複数の可変リアクタンス素子は、共振モードが切換わると、電流分布が最小と最大との間で切換わるループ線路の位置に装荷されるので、第1の共振モードにおいて電流分布が最小となり、かつ、第2の共振モードで電流分布が最大となる位置に装荷された可変リアクタンス素子は、第1の共振モードにおける共振周波数に影響を与えずに、第2の共振モードにおける共振周波数を独立に制御する。また、第1の共振モードにおいて電流分布が最大となり、かつ、第2の共振モードで電流分布が最小となる位置に装荷された可変リアクタンス素子は、第2の共振モードにおける共振周波数に影響を与えずに、第1の共振モードにおける共振周波数を独立に制御する。
【0023】
従って、この発明によれば、複数の共振周波数の各々を独立に制御できる。
実施例
【0024】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0025】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1によるアンテナ装置の斜視図である。この発明の実施の形態1によるアンテナ装置10は、地板1と、ループ線路2と、導体線路3〜6と、可変リアクタンス素子7〜9と、給電部11と、設定回路12とを備える。
【0026】
地板1は、導体からなり、略四角形の形状を有する。ループ線路2は、導体からなり、地板1から所定の距離だけ離れ、かつ、地板1に略平行な平面内に配置される。そして、ループ線路2は、略円形形状からなり、間隙部21を有する。
【0027】
導体線路3は、略L字形状からなるとともに、一方端が間隙部21においてループ線路2の一方端2Aに接続され、他方端が給電部11に接続される。そして、導体線路3は、直線部材31,32からなる。直線部材31は、ループ線路2が配置された平面と同じ平面内に配置される。より詳細には、直線部材31は、ループ線路2の一方端2Aからループ線路2の内側に向かう方向に延伸するように配置される。そして、直線部材31は、その一方端が間隙部21においてループ線路2の一方端2Aに接続される。また、直線部材32は、ループ線路2が配置された平面に略垂直に配置され、その一方端が直線部材31の他方端に接続され、その他方端が給電部11に接続される。
【0028】
導体線路4は、略L字形状からなるとともに、一方端が間隙部21においてループ線路2の他方端2Bに接続され、他方端が地板1に接続される。そして、導体線路4は、直線部材41,42からなる。直線部材41は、ループ線路2が配置された平面と同じ平面内に配置される。より詳細には、直線部材41は、ループ線路2の他方端2Bからループ線路2の内側に向かう方向に延伸するように直線部材31に略平行に配置される。そして、直線部材41は、その一方端が間隙部21においてループ線路2の他方端2Bに接続される。また、直線部材42は、ループ線路2が配置された平面に略垂直に、かつ、直線部材32に略平行に配置される。そして、直線部材42は、その一方端が直線部材41の他方端に接続され、その他方端が地板1に接続される。
【0029】
導体線路5は、導体線路3の直線部材32に略平行に配置され、その一方端が導体線路3の直線部材31に接続され、その他方端が地板1に接続される。
【0030】
導体線路6は、導体線路4の直線部材42に略平行に配置され、その一方端が導体線路4の直線部材41に接続され、その他方端が地板1に接続される。
【0031】
可変リアクタンス素子7は、矢印13の方向を0度とすると、ループ線路2が配置された平面内において矢印14の方向へ90度回転した位置においてループ線路2に装荷される。
【0032】
可変リアクタンス素子8は、ループ線路2が配置された平面内において矢印14の方向へ270度回転した位置においてループ線路2に装荷される。
【0033】
可変リアクタンス素子9は、ループ線路2が配置された平面内において矢印14の方向へ180度回転した位置においてループ線路2に装荷される。
【0034】
給電部11は、導体線路3の直線部材32と接地ノードとの間に接続される。
【0035】
導体線路5,6は、整合用ショートピンであり、ループ線路2および導体線路3,4からなるアンテナと給電部11との間の整合を取る。
【0036】
可変リアクタンス素子7〜9は、それぞれ、設定回路12から受けた設定信号SET1〜SET3によってリアクタンスX1,X2,X1を所定のリアクタンス値に設定する。設定回路12は、設定信号SET1〜SET3をそれぞれ可変リアクタンス素子7〜9へ出力し、可変リアクタンス素子7〜9のリアクタンスX1,X2,X1を所定のリアクタンス値に設定する。
【0037】
なお、ループ線路2および導体線路3,4は、一体的に作製される。
【0038】
図2は、図1に示すループ線路2および導体線路3〜6の寸法を説明するための図である。ループ線路2の内径dは、例えば、18.0mmに設定される。導体線路3の直線部材31および導体線路4の直線部材41の長さlは、例えば、7.17mmに設定される。ループ線路2の間隙部21の長さgは、例えば、0.33mmに設定される。
【0039】
導体線路3の直線部材31および導体線路4の直線部材41の高さhは、例えば、5.00mmに設定される。従って、地板1とループ線路2との距離は、5.00mmである。導体線路3の直線部材32と導体線路5との距離tおよび導体線路4の直線部材42と導体線路6との距離tは、例えば、3.00mmに設定される。
【0040】
その結果、アンテナ装置10は、2.08GHzの第1共振周波数f1と、4.62GHzの第2共振周波数f2とを有する。
【0041】
図3は、デュアルバンドアンテナの斜視図である。デュアルバンドアンテナ100は、地板1と、ループ線路2と、導体線路3,4と、給電部11とを備える。図4は、図3に示すデュアルバンドアンテナ100における電流分布を示す図である。
【0042】
図4の(a)は、デュアルバンドアンテナ100が折り返しモノポールアンテナとして動作するときの電流分布であり、図4の(b)は、デュアルバンドアンテナ100がループアンテナとして動作するときの電流分布である。
【0043】
デュアルバンドアンテナ100が折り返しモノポールアンテナとして動作する周波数においては、ループ線路2を流れる電流と、導体線路3,4の直線部材31,41を流される電流とが相互に打ち消し合う(図4の(a)参照)。その結果、地板1に水平な導体部(=ループ線路2と導体線路3,4の直線部材31,41)からの放射はなく、地板1に垂直な導体線路3の直線部材32および導体線路4の直線部材42が主放射源となる。
【0044】
従って、デュアルバンドアンテナ100が折り返しモノポールアンテナとして動作する周波数においては、デュアルバンドアンテナ100は、微小モノポールアンテナと同じ放射パターン、即ち、水平面内(=地板1の平面内)に最大放射方向を有する。この場合、ループ線路2の全長と、導体線路3の全長と、導体線路4の全長との和は、折り返しモノポールアンテナの共振周波数が得られる波長の約1/2である。
【0045】
一方、デュアルバンドアンテナ100がループアンテナとして動作する周波数においては、導体線路3の直線部材32を流れる電流と、導体線路4の直線部材42を流れる電流とは、互いに逆相になるため、相互に打ち消し合う(図4の(b)参照)。その結果、ループ線路2が主放射源となる。
【0046】
従って、デュアルバンドアンテナ100が折り返しモノポールアンテナとして動作する周波数においては、デュアルバンドアンテナ100は、頂点方向の最大放射方向を有する。この場合、ループ線路2の全長と、導体線路3の直線部材31の全長と、導体線路4の直線部材41の全長との和は、ループアンテナの共振周波数が得られるときの波長に略等しい。
【0047】
このように、デュアルバンドアンテナ100は、簡単な構造を有し、折り返しモノポールアンテナまたはループアンテナとして動作する。そして、各動作モードの共振周波数は、共にループ線路2の円周長によって決定されるため、各動作モードの共振周波数は、他方の動作モードの共振周波数に付随して変化すると考えられる。
【0048】
そこで、2つの共振周波数が可変リアクタンス素子によって独立に制御可能なチューナブルアンテナを実現するために、各動作モードの電流分布に着目し、適切な位置に可変リアクタンス素子を装荷することによって、各共振周波数を独立に制御可能であることを以下に示す。
【0049】
図5は、ループ線路2および導体線路3,4における電流分布を示す図である。デュアルバンドアンテナ100が折り返しモノポールアンテナとして動作する周波数においては、2つの電流最大点MAX1_M,MAX2_Mと、1つの電流最小点MIN_Mとが存在する(図5の(a)参照)。2つの電流最大点MAX1_M,MAX2_Mは、ループ線路2の導体線路3,4に近い部分において間隙部21に対して対称な位置に存在する。また、1つの電流最小点MIN_Mは、ループ線路2の間隙部21から反時計回りに180度回転した位置に存在する。
【0050】
デュアルバンドアンテナ100がループアンテナとして動作する周波数においては、1つの電流最大点MAX_Lと、2つの電流最小点MIN1_L,MIN2_Lとが存在する(図5の(b)参照)。1つの電流最大点MAX_Lは、ループ線路2の間隙部21から反時計回りに180度回転した位置に存在する。また、2つの電流最小点MIN1_L,MIN2_Lは、それぞれ、ループ線路2の間隙部21から反時計回りに90度および270度回転した位置に存在する。
【0051】
このように、折り返しモノポールアンテナとループアンテナとの2つの共振モードは、互いに電流の最大点の位置と最小点の位置とが異なる。
【0052】
そして、折り返しモノポールアンテナにおいて、電流分布が最小になる電流最小点MIN_Mに可変リアクタンス素子を配置した場合、その可変リアクタンス素子には、RF電流が殆ど流れないので、折り返しモノポールアンテナの共振周波数は、その可変リアクタンス素子のリアクタンス値によっては変化しない。
【0053】
一方、折り返しモノポールアンテナにおいて、電流分布が最小になる電流最小点MIN_Mは、ループアンテナにおいて、電流分布が最大になる電流最大点MAX_Lに相当するので、デュアルバンドアンテナ100がループアンテナとして動作する場合には、電流最小点MIN_Mに配置された可変リアクタンス素子には、RF電流が流れる。その結果、電流最小点MIN_Mに配置された可変リアクタンス素子は、ループアンテナの共振周波数を独立に変化させることができる。
【0054】
また、ループアンテナにおいて、電流分布が最小になる2つの電流最小点MIN1_L,MIN2_Lに可変リアクタンス素子を配置した場合、その2つの可変リアクタンス素子には、RF電流が殆ど流れないので、ループアンテナの共振周波数は、その2つの可変リアクタンス素子のリアクタンス値によっては変化しない。
【0055】
一方、ループアンテナにおいて、電流分布が最小になる2つの電流最小点MIN1_L,MIN2_Lは、折り返しモノポールアンテナにおいて、RF電流が流れる位置に相当するので、デュアルバンドアンテナ100が折り返しモノポールアンテナとして動作する場合には、2つの電流最小点MIN1_L,MIN2_Lに配置された2つの可変リアクタンス素子には、RF電流が流れる。その結果、2つの電流最小点MIN1_L,MIN2_Lに配置された2つの可変リアクタンス素子は、折り返しモノポールアンテナの共振周波数を独立に変化させることができる。
【0056】
そこで、この発明においては、上記の点に着目し、可変リアクタンス素子7,8をそれぞれ間隙部21から反時計回りに90度および270度の位置に配置するとともに、可変リアクタンス素子9を間隙部21から反時計回りに180度の位置に配置し、図1に示すアンテナ装置10を実現するに到った。
【0057】
従って、アンテナ装置10においては、可変リアクタンス素子7,8は、アンテナ装置10が折り返しモノポールアンテナとして動作する場合の共振周波数f1を独立に制御し、可変リアクタンス素子9は、アンテナ装置10がループアンテナとして動作する場合の共振周波数f2を独立に制御する。
【0058】
このように、この発明においては、複数の可変リアクタンス素子7〜9は、共振モードが切換わると、電流分布が最小と最大との間で切換わるループ線路2の位置に装荷される。
【0059】
図6は、図1に示すアンテナ装置10の反射特性を解析したときの構成図である。反射特性を測定する場合、直径Rが70mmである円形の地板1が用いられた。そして、円形の地板1は、その中心がxyz座標の原点に一致するようにx−y平面に配置された。また、ループ線路2の中心がxyz座標の原点に位置し、導体線路3,4の直線部材31,41がy軸に略平行になるようにループ線路2および導体線路3〜6が地板1上に配置された。
【0060】
図7は、図1に示すアンテナ装置10の反射特性を示す図である。図7において、縦軸は、反射係数S11を表し、横軸は、周波数を表す。また、図7の(a)は、可変リアクタンス素子9のリアクタンスX2を固定し、可変リアクタンス素子7,8のリアクタンスX1を変化させたときの反射特性を示す。更に、図7の(b)は、可変リアクタンス素子7,8のリアクタンスX1を固定し、可変リアクタンス素子9のリアクタンスX2を変化させたときの反射特性を示す。
【0061】
更に、曲線k1〜k3は、可変リアクタンス素子9のリアクタンスX2を0[Ω]に固定し、可変リアクタンス素子7,8のリアクタンスX1を、それぞれ、100[Ω]、0[Ω]および−100[Ω]に変えたときの反射特性を示す図である。
【0062】
更に、曲線k4〜k6は、可変リアクタンス素子7,8のリアクタンスX1を0[Ω]に固定し、可変リアクタンス素子9のリアクタンスX2を、それぞれ、100[Ω]、0[Ω]および−100[Ω]に変えたときの反射特性を示す図である。
【0063】
可変リアクタンス素子9のリアクタンスX2を0[Ω]に固定した場合、アンテナ装置10がループアンテナとして動作するときの高周波数側の共振周波数f2は、殆ど、変化せず、アンテナ装置10が折り返しモノポールアンテナとして動作するときの低周波数側の共振周波数f1は、可変リアクタンス素子7,8のリアクタンスX1によって変化する。
【0064】
より具体的には、共振周波数f1は、可変リアクタンス素子7,8のリアクタンスX1が誘導性リアクタンスから容量性リアクタンスへ変化するに伴って高周波数側へシフトする(曲線k1〜k3参照)。これは、リアクタンスX1が誘導性リアクタンス(=100Ω)になれば、線路長が電気的に長くなり、リアクタンスX1が容量性リアクタンス(=−100Ω)になれば、線路長が電気的に短くなるからである。
【0065】
可変リアクタンス素子7,8のリアクタンスX1を0[Ω]に固定した場合、アンテナ装置10が折り返しモノポールアンテナとして動作するときの低周波数側の共振周波数f1は、殆ど、変化せず、アンテナ装置10がループアンテナとして動作するときの高周波数側の共振周波数f2は、可変リアクタンス素子9のリアクタンスX2によって変化する。
【0066】
より具体的には、共振周波数f2は、可変リアクタンス素子9のリアクタンスX2が誘導性リアクタンスから容量性リアクタンスへ変化するに伴って高周波数側へシフトする(曲線k4〜k6参照)。リアクタンスX2が誘導性リアクタンスから容量性リアクタンスへ変化するに伴って共振周波数f2が高周波数側へシフトする理由は、リアクタンスX1が誘導性リアクタンスから容量性リアクタンスへ変化するに伴って共振周波数f1が高周波数側へシフトする理由と同じである。
【0067】
このように、アンテナ装置10においては、共振周波数f1,f2をそれぞれ独立に制御可能である。
【0068】
図8は、リアクタンスX1,X2をそれぞれ−100Ω,0Ωに設定したときの2.28GHzにおける指向性利得を示す図である。また、図9は、リアクタンスX1,X2をそれぞれ−100Ω,0Ωに設定したときの4.62GHzにおける指向性利得を示す図である。
【0069】
図8の(a)および図9の(a)は、x−y平面における指向性利得を示し、図8の(b)および図9の(b)は、x−z平面における指向性利得を示し、図8の(c)および図9の(c)は、y−z平面における指向性利得を示す。また、Gθ,Gφは、それぞれ(θ,φ)を球座標系におけるz軸およびy軸と成す角度としたときの指向性利得Gのθ成分およびφ成分を示す。
【0070】
低周波数側の共振周波数f1では、x−y平面内に最大放射方向を有する指向性パターンが得られる(図8参照)。一方、高周波数側の共振周波数f2では、天頂方向(+z軸方向)に最大放射方向を有する指向性パターンが得られる(図9参照)。
【0071】
この場合、可変リアクタンス素子7〜9のリアクタンス値の変化による指向性パターンの大きな変化はなく、アンテナ装置10は、低周波数側の共振周波数f1では、折り返しモノポールアンテナとして動作しており、高周波数側の共振周波数f2では、ループアンテナとして動作している。
【0072】
図10は、リアクタンスX1,X2をそれぞれ0Ω,−100Ωに設定したときの2.08GHzにおける指向性利得を示す図である。また、図11は、リアクタンスX1,X2をそれぞれ0Ω,−100Ωに設定したときの4.83GHzにおける指向性利得を示す図である。
【0073】
図10の(a)および図11の(a)は、x−y平面における指向性利得を示し、図10の(b)および図11の(b)は、x−z平面における指向性利得を示し、図10の(c)および図11の(c)は、y−z平面における指向性利得を示す。
【0074】
この場合も、図8および図9に示す場合と同様に、アンテナ装置10は、低周波数側の共振周波数f1では、折り返しモノポールアンテナとして動作しており、高周波数側の共振周波数f2では、ループアンテナとして動作している。
【0075】
図12は、2つのリアクタンスX1,X2のうち、一方のリアクタンスを0Ωに固定し、他方のリアクタンスを変化させたときの共振周波数の変化を示す図である。図12において、縦軸は、共振周波数を表し、横軸は、リアクタンスを表す。また、図12の(a)は、リアクタンスX2を0Ωに固定し、リアクタンスX1を変化させたときの第1の共振周波数f1を示す。更に、図12の(b)は、リアクタンスX1を0Ωに固定し、リアクタンスX2を変化させたときの第2の共振周波数f2を示す。
【0076】
なお、リアクタンスX1は、図1に示すように、2箇所に接続されているので、アンテナ装置10全体に装荷されるリアクタンスX1は、図12の横軸に示す値の2倍である。
【0077】
第1の共振周波数f1は、リアクタンスX1が容量性リアクタンスから誘導性リアクタンスへ変化するに伴って低周波数側へ変化する(図12の(a)参照)。また。第2の共振周波数f2は、リアクタンスX2が容量性リアクタンスから誘導性リアクタンスへ変化するに伴って低周波数側へ変化する(図12の(b)参照)。
【0078】
従って、図12に示す結果からも、リアクタンスX1によってアンテナ装置10の共振周波数f1を独立に制御でき、リアクタンスX2によってアンテナ装置10の共振周波数f2を独立に制御できることが解る。
【0079】
図13は、リアクタンスX1を固定し、リアクタンスX2を変化させたときの反射特性を示す図である。図13において、縦軸は、反射特性S11を表し、横軸は、周波数を表す。
【0080】
また、図13の(a)は、リアクタンスX1を−200Ωに固定し、リアクタンスX2を変化させたときの反射特性を示し、図13の(b)は、リアクタンスX1を−150Ωに固定し、リアクタンスX2を変化させたときの反射特性を示し、図13の(c)は、リアクタンスX1を−100Ωに固定し、リアクタンスX2を変化させたときの反射特性を示す。更に、図13の(d)は、リアクタンスX1を−50Ωに固定し、リアクタンスX2を変化させたときの反射特性を示し、図13の(e)は、リアクタンスX1を0Ωに固定し、リアクタンスX2を変化させたときの反射特性を示す。
【0081】
更に、曲線k7〜k17は、リアクタンスX1が−200Ωであり、リアクタンスX2がそれぞれ300Ω、250Ω、200Ω、150Ω、100Ω、50Ω、0Ω、−50Ω、−100Ω、−150Ω、および−200Ωであるときの反射特性を示す。
【0082】
更に、曲線k18〜k28は、リアクタンスX1が−150Ωであり、リアクタンスX2がそれぞれ300Ω、250Ω、200Ω、150Ω、100Ω、50Ω、0Ω、−50Ω、−100Ω、−150Ω、および−200Ωであるときの反射特性を示す。
【0083】
更に、曲線k29〜k39は、リアクタンスX1が−100Ωであり、リアクタンスX2がそれぞれ300Ω、250Ω、200Ω、150Ω、100Ω、50Ω、0Ω、−50Ω、−100Ω、−150Ω、および−200Ωであるときの反射特性を示す。
【0084】
更に、曲線k40〜k50は、リアクタンスX1が−50Ωであり、リアクタンスX2がそれぞれ300Ω、250Ω、200Ω、150Ω、100Ω、50Ω、0Ω、−50Ω、−100Ω、−150Ω、および−200Ωであるときの反射特性を示す。
【0085】
更に、曲線k51〜k61は、リアクタンスX1が0Ωであり、リアクタンスX2がそれぞれ300Ω、250Ω、200Ω、150Ω、100Ω、50Ω、0Ω、−50Ω、−100Ω、−150Ω、および−200Ωであるときの反射特性を示す。
【0086】
図14は、リアクタンスX1を固定し、リアクタンスX2を変化させたときの他の反射特性を示す図である。図14において、縦軸は、反射特性S11を表し、横軸は、周波数を表す。
【0087】
また、図14の(f)は、リアクタンスX1を50Ωに固定し、リアクタンスX2を変化させたときの反射特性を示し、図14の(g)は、リアクタンスX1を100Ωに固定し、リアクタンスX2を変化させたときの反射特性を示し、図14の(h)は、リアクタンスX1を150Ωに固定し、リアクタンスX2を変化させたときの反射特性を示し、図14の(i)は、リアクタンスX1を200Ωに固定し、リアクタンスX2を変化させたときの反射特性を示す。
【0088】
更に、曲線k62〜k72は、リアクタンスX1が50Ωであり、リアクタンスX2がそれぞれ300Ω、250Ω、200Ω、150Ω、100Ω、50Ω、0Ω、−50Ω、−100Ω、−150Ω、および−200Ωであるときの反射特性を示す。
【0089】
更に、曲線k73〜k83は、リアクタンスX1が100Ωであり、リアクタンスX2がそれぞれ300Ω、250Ω、200Ω、150Ω、100Ω、50Ω、0Ω、−50Ω、−100Ω、−150Ω、および−200Ωであるときの反射特性を示す。
【0090】
更に、曲線k84〜k94は、リアクタンスX1が150Ωであり、リアクタンスX2がそれぞれ300Ω、250Ω、200Ω、150Ω、100Ω、50Ω、0Ω、−50Ω、−100Ω、−150Ω、および−200Ωであるときの反射特性を示す。
【0091】
更に、曲線k95〜k105は、リアクタンスX1が200Ωであり、リアクタンスX2がそれぞれ300Ω、250Ω、200Ω、150Ω、100Ω、50Ω、0Ω、−50Ω、−100Ω、−150Ω、および−200Ωであるときの反射特性を示す。
【0092】
リアクタンスX1を固定し、リアクタンスX2を変化させた場合、図13および図14に示すように、第1の共振周波数f1(折り返しモノポールアンテナにおける共振周波数)は、殆ど変化せず、第2の共振周波数f2(ループアンテナにおける共振周波数)は、−200Ω≦X2≦300ΩのリアクタンスX2に対して、0.80≦f2/f20≦1.19(f20:第2の共振周波数f2の中心周波数)の範囲で変化する。
【0093】
また、図13の(a)〜(e)および図14の(f)〜(i)の各々において、第2の共振周波数f2は、リアクタンスX2が誘導性リアクタンスから容量性リアクタンスへ変化するに伴って高周波数側へシフトする。
【0094】
図15は、リアクタンスX2を固定し、リアクタンスX1を変化させたときの反射特性を示す図である。図15において、縦軸は、反射特性S11を表し、横軸は、周波数を表す。
【0095】
また、図15の(a)は、リアクタンスX2を−200Ωに固定し、リアクタンスX1を変化させたときの反射特性を示し、図15の(b)は、リアクタンスX2を−150Ωに固定し、リアクタンスX1を変化させたときの反射特性を示し、図15の(c)は、リアクタンスX2を−100Ωに固定し、リアクタンスX1を変化させたときの反射特性を示す。更に、図15の(d)は、リアクタンスX2を−50Ωに固定し、リアクタンスX1を変化させたときの反射特性を示し、図15の(e)は、リアクタンスX2を0Ωに固定し、リアクタンスX1を変化させたときの反射特性を示す。
【0096】
更に、曲線k106〜k113は、リアクタンスX2が−200Ωであり、リアクタンスX1がそれぞれ150Ω、100Ω、50Ω、0Ω、−50Ω、−100Ω、−150Ω、および−200Ωであるときの反射特性を示す。
【0097】
更に、曲線k114〜k121は、リアクタンスX2が−150Ωであり、リアクタンスX1がそれぞれ150Ω、100Ω、50Ω、0Ω、−50Ω、−100Ω、−150Ω、および−200Ωであるときの反射特性を示す。
【0098】
更に、曲線k122〜k129は、リアクタンスX2が−100Ωであり、リアクタンスX1がそれぞれ150Ω、100Ω、50Ω、0Ω、−50Ω、−100Ω、−150Ω、および−200Ωであるときの反射特性を示す。
【0099】
更に、曲線k130〜k137は、リアクタンスX2が−50Ωであり、リアクタンスX1がそれぞれ150Ω、100Ω、50Ω、0Ω、−50Ω、−100Ω、−150Ω、および−200Ωであるときの反射特性を示す。
【0100】
更に、曲線k138〜k145は、リアクタンスX2が0Ωであり、リアクタンスX1がそれぞれ150Ω、100Ω、50Ω、0Ω、−50Ω、−100Ω、−150Ω、および−200Ωであるときの反射特性を示す。
【0101】
図16は、リアクタンスX2を固定し、リアクタンスX1を変化させたときの他の反射特性を示す図である。図16において、縦軸は、反射特性S11を表し、横軸は、周波数を表す。
【0102】
また、図16の(f)は、リアクタンスX2を50Ωに固定し、リアクタンスX1を変化させたときの反射特性を示し、図16の(g)は、リアクタンスX2を100Ωに固定し、リアクタンスX1を変化させたときの反射特性を示し、図16の(h)は、リアクタンスX2を150Ωに固定し、リアクタンスX1を変化させたときの反射特性を示し、図16の(i)は、リアクタンスX2を200Ωに固定し、リアクタンスX1を変化させたときの反射特性を示し、図16の(j)は、リアクタンスX2を250Ωに固定し、リアクタンスX1を変化させたときの反射特性を示す。
【0103】
更に、曲線k146〜k153は、リアクタンスX2が50Ωであり、リアクタンスX1がそれぞれ150Ω、100Ω、50Ω、0Ω、−50Ω、−100Ω、−150Ω、および−200Ωであるときの反射特性を示す。
【0104】
更に、曲線k154〜k161は、リアクタンスX2が100Ωであり、リアクタンスX1がそれぞれ150Ω、100Ω、50Ω、0Ω、−50Ω、−100Ω、−150Ω、および−200Ωであるときの反射特性を示す。
【0105】
更に、曲線k162〜k169は、リアクタンスX2が150Ωであり、リアクタンスX1がそれぞれ150Ω、100Ω、50Ω、0Ω、−50Ω、−100Ω、−150Ω、および−200Ωであるときの反射特性を示す。
【0106】
更に、曲線k170〜k176は、リアクタンスX2が200Ωであり、リアクタンスX1がそれぞれ−200Ω、−150Ω、−100Ω、−50Ω、0Ω、50Ω、100Ω、150Ω、200Ω、および250Ωであるときの反射特性を示す。
【0107】
更に、曲線k177〜k184は、リアクタンスX2が250Ωであり、リアクタンスX1がそれぞれ150Ω、100Ω、50Ω、0Ω、−50Ω、−100Ω、−150Ω、および−200Ωであるときの反射特性を示す。
【0108】
リアクタンスX2を固定し、リアクタンスX1を変化させた場合、図15および図16に示すように、第2の共振周波数f2(ループアンテナにおける共振周波数)は、殆ど変化せず、第1の共振周波数f1(折り返しモノポールアンテナにおける共振周波数)は、−200Ω≦X2≦150ΩのリアクタンスX1に対して、0.83≦f1/f10≦1.17(f10:第1の共振周波数f1の中心周波数)の範囲で変化する。
【0109】
また、図15の(a)〜(e)および図16の(f)〜(j)の各々において、第1の共振周波数f1は、リアクタンスX1が誘導性リアクタンスから容量性リアクタンスへ変化するに伴って高周波数側へシフトする。
【0110】
第1の共振周波数f1と第2の共振周波数f2との比f2/f1は、X1=200Ω、X2=−200Ωのとき、最大で3.19であり、X1=−200Ω、X2=300Ωのとき、最小で1.48であり、整合回路を用いることなく、デュアルバンドで比帯域がおよそ0.8〜1.2の範囲で整合周波数を可変制御できることが解る。
【0111】
アンテナ装置10の設定回路12は、可変リアクタンス素子7〜9のリアクタンスX1,X1,X2を上述したリアクタンス値に設定するための設定信号SET1〜SET3を生成し、その生成した設定信号SET1〜SET3をそれぞれ可変リアクタンス素子7〜9へ出力する。これによって、第1の共振周波数f1および第2の共振周波数f2は、独立に制御される。
【0112】
図17は、実施の形態1による他のアンテナ装置の斜視図である。実施の形態1によるアンテナ装置は、図17に示すアンテナ装置10Aであってもよい。アンテナ装置10Aは、図1に示すアンテナ装置10の導体線路5,6を削除したものであり、その他は、アンテナ装置10と同じである。
【0113】
図18は、図17に示すアンテナ装置10Aの反射特性を示す図である。図18において、縦軸は、反射特性S11を表し、横軸は、周波数を表す。また、曲線k185は、図17に示すアンテナ装置10A(=Inverted−L type)の反射特性を示し、曲線k186は、図1に示すアンテナ装置10(=Inverted―F type)の反射特性を示す。更に、リアクタンスX1,X2は、共に0Ωである。
【0114】
整合用のショートピンである導体線路5,6を設けたアンテナ装置10においては、第1および第2の共振周波数f1,f2における反射特性S11は、共に−20dB以下と良好である(曲線k186参照)。
【0115】
これに対し、導体線路5,6を設けないアンテナ装置10Aにおいては、第1および第2の共振周波数f1,f2における反射特性S11は、大きく低下するが、0dBよりも小さい。
【0116】
従って、整合用のショートピンである導体線路5,6を設けない場合も、第1および第2の共振周波数f1,f2を独立に制御可能である。
【0117】
また、整合用のショートピンである導体線路5,6を設けることによって、給電部11との整合を取ることができ、第1および第2の共振周波数f1,f2における反射特性S11を大きく向上できる。
【0118】
図19は、実施の形態1による更に他のアンテナ装置の斜視図である。実施の形態1によるアンテナ装置は、図19に示すアンテナ装置10Bであってもよい。アンテナ装置10Bは、図1に示すアンテナ装置10にループ線路22および可変リアクタンス素子23〜25を追加し、設定回路12を設定回路12Aに代えたものであり、その他は、アンテナ装置10と同じである。
【0119】
ループ線路22は、導体からなり、ループ線路2と同じ平面内においてループ線路2の内側に配置される。そして、ループ線路22は、ループ線路2の間隙部21の長さgに等しい間隙部を有し、一方端が導体線路3の直線導体31に接続され、他方端が導体線路4の直線導体41に接続される。この場合、ループ線路22の内径は、例えば、12mmである。
【0120】
可変リアクタンス素子23は、間隙部21から反時計回りに90度回転した位置においてループ線路22に装荷され、可変リアクタンス素子24は、間隙部21から反時計回りに270度回転した位置においてループ線路22に装荷され、可変リアクタンス素子25は、間隙部21から反時計回りに180度回転した位置においてループ線路22に装荷される。
【0121】
なお、可変リアクタンス素子23〜25のループ線路22への装荷位置は、可変リアクタンス素子7〜9のループ線路2への装荷位置の決定方法と同じ決定方法によって決定される。
【0122】
可変リアクタンス素子23,24は、それぞれ、設定回路12Aからの設定信号SET4,SET5によってリアクタンスX3を所定のリアクタンス値に設定し、可変リアクタンス素子7,8と同じ機能を果たす。また、可変リアクタンス素子25は、設定回路12Aからの設定信号SET6によってリアクタンスX4を所定のリアクタンス値に設定し、可変リアクタンス素子9と同じ機能を果たす。
【0123】
設定回路12Aは、設定信号SET1〜SET6を生成し、その生成した設定信号SET1〜SET6をそれぞれ可変リアクタンス素子7〜9,23〜25へ出力する。
【0124】
アンテナ装置10Bにおいては、可変リアクタンス素子9,25のリアクタンスX2,X4を固定し、可変リアクタンス素子7,8のリアクタンスX1を所定のリアクタンス値に設定し、可変リアクタンス素子23,24のリアクタンスX3を所定のリアクタンス値に設定すると、ループ線路2および導体線路3〜6は、共振周波数f1を有する折り返しモノポールアンテナとして動作し、ループ線路22および導体線路3〜6は、共振周波数f3を有する折り返しモノポールアンテナとして動作する。
【0125】
また、可変リアクタンス素子7,8のリアクタンスX1および可変リアクタンス素子23,24のリアクタンスX3を固定し、可変リアクタンス素子9のリアクタンスX2を所定のリアクタンス値に設定し、可変リアクタンス素子25のリアクタンスX4を所定のリアクタンス値に設定すると、ループ線路2および導体線路3〜6は、共振周波数f2を有するループアンテナとして動作し、ループ線路22および導体線路3〜6は、共振周波数f4(>f3)を有するループアンテナとして動作する。
【0126】
従って、アンテナ装置10Bは、第1の共振周波数f1、第2の共振周波数f2、第3の共振周波数f3および第4の共振周波数f4で動作する。そして、可変リアクタンス素子7〜9,23〜25のリアクタンスX1〜X4を制御することによって、第1の共振周波数f1、第2の共振周波数f2、第3の共振周波数f3および第4の共振周波数f4の各々を独立に制御できる。
【0127】
なお、実施の形態1によるアンテナ装置は、図19に示すアンテナ装置10Bの導体線路5,6を削除したものであってもよい。
【0128】
また、上記においては、ループ線路2,22は、略円形形状からなると説明したが、この発明においては、これに限らず、ループ線路2,22は、三角形、四角形、および五角形等の多角形形状からなっていてもよい。
【0129】
更に、実施の形態1によるアンテナ装置は、一般的には、地板と、n(nは正の整数)個のループ線路と、導体線路3,4と、3n個の可変リアクタンス素子と、設定回路とを備えるアンテナ装置であればよい。この場合、n個のループ線路は、地板1に対してループ線路2,22と同じように配置される。また、3n個の可変リアクタンス素子は、3個づつ、1個のループ線路に可変リアクタンス素子7〜9(または可変リアクタンス素子23〜25)と同じように装荷される。
【0130】
その結果、2n個の共振周波数の各々を独立に制御可能な2n個の周波数帯域で動作するアンテナ装置を実現できる。
【0131】
[実施の形態2]
図20は、実施の形態2によるアンテナ装置の斜視図である。アンテナ装置200は、図1に示すアンテナ装置10に可変リアクタンス素子201,202を追加し、設定回路12を設定回路12Bに代えたものであり、その他は、アンテナ装置10と同じである。
【0132】
可変リアクタンス素子201は、間隙部21と可変リアクタンス素子7との間においてループ線路2に装荷され、可変リアクタンス素子202は、間隙部21と可変リアクタンス素子8との間においてループ線路2に装荷される。
【0133】
そして、可変リアクタンス素子201,202は、それぞれ、設定回路12Bからの設定信号SET7,SET8によってリアクタンスX5を所定のリアクタンス値に設定する。
【0134】
設定回路12Bは、設定信号SET1〜SET3,SET7,SET8を生成し、その生成した設定信号SET1〜SET3,SET7,SET8をそれぞれ可変リアクタンス素子7〜9,201,202へ出力する。
【0135】
図21は、図20に示す可変リアクタンス素子201,202の装荷位置を決定する方法を説明するための図である。
【0136】
図21に示すように、間隙部21の中心をy軸とし、y軸からの角度φ(°)を設定する。そして、角度φを変化させてアンテナ装置200の反射特性を解析し、可変リアクタンス素子201,202の装荷位置を決定する。
【0137】
可変リアクタンス素子201,202を0°<|φ|<90°の範囲の角度φによって決定される位置に装荷した場合について説明する。
【0138】
図22、図24、図26および図28は、それぞれ、図20に示すアンテナ装置200の第1〜第4の反射特性を示す図である。また、図23、図25、図27および図29は、それぞれ、図20に示すアンテナ装置200の第1〜第4の共振周波数とリアクタンスX5との関係を示す図である。
【0139】
図22、図24、図26および図28において、縦軸は、反射特性S11を表し、横軸は、周波数を表す。図22、図24、図26および図28は、それぞれ、可変リアクタンス素子201,202をφ=±10°、φ=±30°、φ=±45°、およびφ=±60°の角度φによって決定される位置に装荷した場合の反射特性を示す。
【0140】
そして、曲線k187〜k193は、リアクタンスX1,X2を0Ωに固定し、リアクタンスX5をそれぞれ100Ω、50Ω、0Ω、−50Ω、−100Ω、−150Ω、および−200Ωに設定したときの反射特性を示す。
【0141】
また、曲線k194〜k200は、リアクタンスX1,X2を0Ωに固定し、リアクタンスX5をそれぞれ100Ω、50Ω、0Ω、−50Ω、−100Ω、−150Ω、および−200Ωに設定したときの反射特性を示す。
【0142】
更に、曲線k201〜k207は、リアクタンスX1,X2を0Ωに固定し、リアクタンスX5をそれぞれ100Ω、50Ω、0Ω、−50Ω、−100Ω、−150Ω、および−200Ωに設定したときの反射特性を示す。
【0143】
更に、曲線k208〜k214は、リアクタンスX1,X2を0Ωに固定し、リアクタンスX5をそれぞれ100Ω、50Ω、0Ω、−50Ω、−100Ω、−150Ω、および−200Ωに設定したときの反射特性を示す。
【0144】
図23、図25、図27および図29において、縦軸は、共振周波数を表し、横軸は、リアクタンスX5を表す。そして、図23、図25、図27および図29は、それぞれ、可変リアクタンス素子201,202をφ=±10°、φ=±30°、φ=±45°、およびφ=±60°の角度φによって決定される位置に装荷した場合の共振周波数とリアクタンスX5との関係を示す。
【0145】
図22〜図29から明らかなように、2つの共振周波数f1,f2は、リアクタンスX5が容量性リアクタンスから誘導性リアクタンスへ変化すると、共に、高周波数側から低周波数側へシフトする。
【0146】
従って、リアクタンスX5を用いることによって、2つの共振周波数f1,f2を同時に制御できる。
【0147】
また、可変リアクタンス素子201,202の装荷位置をそれぞれ可変リアクタンス素子7,8の装荷位置に近づけると、第2の共振周波数f2の変化範囲が狭くなる(図22の曲線k187〜k193、図24の曲線k194〜k200、図26の曲線k201〜k207、および図28の曲線k208〜k217参照)。これは、可変リアクタンス素子201,202の装荷位置が第2の共振周波数f2における電流最小点MIN1_L,MIN2_Lに近づくためである。
【0148】
一方、可変リアクタンス素子201,202の装荷位置を間隙部21に近づけると、第1の共振周波数f1および第2の共振周波数f2の変化範囲が広くなる(図22、図24、図26および図28参照)。これは、図5に示す電流分布から解るように、可変リアクタンス素子201,202の装荷位置が第1の共振周波数f1および第2の共振周波数f2の両方における電流最大点に近づくためである。
【0149】
従って、広い周波数範囲にわたって2つの共振周波数f1,f2を同時に制御するには、可変リアクタンス素子201,202を間隙部21に近い位置に装荷するのが望ましい。
【0150】
アンテナ装置200において、設定回路12Bは、可変リアクタンス素子7〜9,201,202のリアクタンスX1,X1,X2,X5,X5を上述したリアクタンス値に設定するための設定信号SET1〜SET3,SET7,SET8を生成し、その生成した設定信号SET1〜SET3,SET7,SET8をそれぞれ可変リアクタンス素子7〜9,201,202へ出力する。これによって、第1の共振周波数f1および第2の共振周波数f2は、同時に制御される。
【0151】
図30は、実施の形態2による他のアンテナ装置の斜視図である。実施の形態2によるアンテナ装置は、図30に示すアンテナ装置200Aであってもよい。アンテナ装置200Aは、図1に示すアンテナ装置10に可変リアクタンス素子203,204を追加し、設定回路12を設定回路12Cに代えたものであり、その他は、アンテナ装置10と同じである。
【0152】
可変リアクタンス素子203は、可変リアクタンス素子7と可変リアクタンス素子9との間においてループ線路2に装荷され、可変リアクタンス素子204は、可変リアクタンス素子8と可変リアクタンス素子9との間においてループ線路2に装荷される。
【0153】
そして、可変リアクタンス素子203,204は、それぞれ、設定回路12Cからの設定信号SET9,SET10によってリアクタンスX6を所定のリアクタンス値に設定する。
【0154】
設定回路12Cは、設定信号SET1〜SET3,SET9,SET10を生成し、その生成した設定信号SET1〜SET3,SET9,SET10をそれぞれ可変リアクタンス素子7〜9,203,204へ出力する。
【0155】
アンテナ装置200Aにおいても、図21に示す角度φを変化させてアンテナ装置200Aの反射特性を測定し、可変リアクタンス素子203,204の装荷位置を決定する。
【0156】
可変リアクタンス素子203,204を90°<|φ|<180°の範囲の角度φによって決定される位置に装荷した場合について説明する。
【0157】
図31、図33および図35は、それぞれ、図30に示すアンテナ装置200Aの第1〜第3の反射特性を示す図である。また、図32、図34および図36は、それぞれ、図30に示すアンテナ装置200Aの第1〜第3の共振周波数とリアクタンスX6との関係を示す図である。
【0158】
図31、図33および図35において、縦軸は、反射特性S11を表し、横軸は、周波数を表す。図31、図33および図35は、それぞれ、可変リアクタンス素子203,204をφ=±120°、φ=±135°、およびφ=±150°の角度φによって決定される位置に装荷した場合の反射特性を示す。
【0159】
そして、曲線k215〜k221は、リアクタンスX1,X2を0Ωに固定し、リアクタンスX6をそれぞれ200Ω、150Ω、100Ω、50Ω、0Ω、−50Ω、および−100Ωに設定したときの反射特性を示す。
【0160】
また、曲線k222〜k228は、リアクタンスX1,X2を0Ωに固定し、リアクタンスX6をそれぞれ200Ω、150Ω、100Ω、50Ω、0Ω、−50Ω、および−100Ωに設定したときの反射特性を示す。
【0161】
更に、曲線k229〜k235は、リアクタンスX1,X2を0Ωに固定し、リアクタンスX6をそれぞれ200Ω、150Ω、100Ω、50Ω、0Ω、−50Ω、および−100Ωに設定したときの反射特性を示す。
【0162】
図32、図34および図36において、縦軸は、共振周波数を表し、横軸は、リアクタンスX6を表す。そして、図32、図34および図36は、それぞれ、可変リアクタンス素子203,204をφ=±120°、φ=±135°、およびφ=±150°の角度φによって決定される位置に装荷した場合の共振周波数とリアクタンスX6との関係を示す。
【0163】
可変リアクタンス素子203,204のリアクタンスX6を変化することによって、第1の共振周波数f1および第2の共振周波数f2は、同時に変化するが、第1の共振周波数f1の変化範囲が第2の共振周波数f2の変化範囲よりも狭い。
【0164】
また、可変リアクタンス素子203,204の装荷位置をそれぞれ可変リアクタンス素子7,8に近づければ、第1の共振周波数の可変範囲は、広くなり(図35の曲線k229〜k235、図33の曲線k222〜k227および図31の曲線k215〜k221参照)、可変リアクタンス素子203,240を可変リアクタンス素子9に近づければ、第1の共振周波数f1の可変範囲は、極めて狭くなる(図35参照)。
【0165】
一方、可変リアクタンス素子203,204の装荷位置をそれぞれ可変リアクタンス素子7,8に近づければ、第2の共振周波数f2の可変範囲は、狭くなり(図35の曲線k229〜k235、図33の曲線k222〜k227および図31の曲線k215〜k221参照)、可変リアクタンス素子203,240を可変リアクタンス素子9に近づければ、第2の共振周波数f2の可変範囲は、広くなる(図35参照)。
【0166】
従って、2つの共振周波数f1,f2を同時に可変制御するには、可変リアクタンス素子203,240をφ=±120°の角度φによって決定される位置、即ち、可変リアクタンス素子7,8に相対的に近い位置に装荷するのが好ましい。
【0167】
このように、実施の形態2によるアンテナ装置200,200Aは、2つの共振周波数における電流最大点が重なり合う位置に可変リアクタンス素子201,202;203,204を装荷することによって、2つの共振周波数f1,f2の各々を独立に制御できるとともに、2つの共振周波数f1,f2を同時に制御できる。
【0168】
アンテナ装置200Aにおいて、設定回路12Cは、可変リアクタンス素子7〜9,203,204のリアクタンスX1,X1,X2,X6,X6を上述したリアクタンス値に設定するための設定信号SET1〜SET3,SET9,SET10を生成し、その生成した設定信号SET1〜SET3,SET9,SET10をそれぞれ可変リアクタンス素子7〜9,203,204へ出力する。これによって、第1の共振周波数f1および第2の共振周波数f2は、独立または同時に制御される。
【0169】
図37は、実施の形態2による更に他のアンテナ装置の斜視図である。実施の形態2によるアンテナ装置は、図37に示すアンテナ装置200Bであってもよい。アンテナ装置200Bは、図20に示すアンテナ装置200に可変リアクタンス素子203,204を追加し、設定回路12Bを設定回路12Dに代えたものであり、その他は、アンテナ装置200と同じである。
【0170】
可変リアクタンス素子203,204は、図30に示すアンテナ装置200Aにおいて説明した位置に装荷される。
【0171】
設定回路12Dは、設定信号SET1〜SET3,SET7〜SET10を生成し、その生成した設定信号SET1〜SET3,SET7〜SET10をそれぞれ可変リアクタンス素子7〜9,201〜204へ出力する。
【0172】
可変リアクタンス素子7〜9に追加して可変リアクタンス素子201〜204をループ線路2に装荷することによって、アンテナ装置200,200Aにおける2つの共振周波数f1,f2の可変範囲よりも広い周波数範囲で2つの共振周波数f1,f2を同時に制御できる。
【0173】
なお、実施の形態2によるアンテナ装置は、上述したアンテナ装置200,200A,200Bから導体線路5,6を削除したアンテナ装置であってもよい。
【0174】
また、実施の形態2によるアンテナ装置は、上述したアンテナ装置200,200A,200Bに対してアンテナ装置10からアンテナ装置10Bへの変更を施したアンテナ装置であってもよい。これによって、2以上の共振周波数の各々を独立に制御できるとともに、2以上の共振周波数を同時に制御できる。
【0175】
その他は、実施の形態1と同じである。
【0176】
この発明によるアンテナ装置は、上述したアンテナ装置10,10A,10B,200,200A,200Bのループ線路2および導体線路3〜6を誘電体基板内に配置したアンテナ装置であってもよい。
【0177】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図の説明
【0179】
【図1】この発明の実施の形態1によるアンテナ装置の斜視図である。
【図2】図1に示すループ線路および導体線路の寸法を説明するための図である。
【図3】デュアルバンドアンテナの斜視図である。
【図4】図3に示すデュアルバンドアンテナにおける電流分布を示す図である。
【図5】ループ線路および導体線路における電流分布を示す図である。
【図6】図1に示すアンテナ装置の反射特性を計算もしくは解析したときの構成図である。
【図7】図1に示すアンテナ装置の反射特性を示す図である。
【図8】リアクタンスX1,X2をそれぞれ−100Ω,0Ωに設定したときの2.28GHzにおける指向性利得を示す図である。
【図9】リアクタンスX1,X2をそれぞれ−100Ω,0Ωに設定したときの4.62GHzにおける指向性利得を示す図である。
【図10】リアクタンスX1,X2をそれぞれ0Ω,−100Ωに設定したときの2.08GHzにおける指向性利得を示す図である。
【図11】リアクタンスX1,X2をそれぞれ0Ω,−100Ωに設定したときの4.83GHzにおける指向性利得を示す図である。
【図12】2つのリアクタンスX1,X2のうち、一方のリアクタンスを0Ωに固定し、他方のリアクタンスを変化させたときの共振周波数の変化を示す図である。
【図13】リアクタンスX1を固定し、リアクタンスX2を変化させたときの反射特性を示す図である。
【図14】リアクタンスX1を固定し、リアクタンスX2を変化させたときの他の反射特性を示す図である。
【図15】リアクタンスX2を固定し、リアクタンスX1を変化させたときの反射特性を示す図である。
【図16】リアクタンスX2を固定し、リアクタンスX1を変化させたときの他の反射特性を示す図である。
【図17】実施の形態1による他のアンテナ装置の斜視図である。
【図18】図17に示すアンテナ装置の反射特性を示す図である。
【図19】実施の形態1による更に他のアンテナ装置の斜視図である。
【図20】実施の形態2によるアンテナ装置の斜視図である。
【図21】図20に示す可変リアクタンス素子の装荷位置を決定する方法を説明するための図である。
【図22】図20に示すアンテナ装置の第1の反射特性を示す図である。
【図23】図20に示すアンテナ装置の第1の共振周波数とリアクタンスX5との関係を示す図である。
【図24】図20に示すアンテナ装置の第2の反射特性を示す図である。
【図25】図20に示すアンテナ装置の第2の共振周波数とリアクタンスX5との関係を示す図である。
【図26】図20に示すアンテナ装置の第3の反射特性を示す図である。
【図27】図20に示すアンテナ装置の第3の共振周波数とリアクタンスX5との関係を示す図である。
【図28】図20に示すアンテナ装置の第4の反射特性を示す図である。
【図29】図20に示すアンテナ装置の第4の共振周波数とリアクタンスX5との関係を示す図である。
【図30】実施の形態2による他のアンテナ装置の斜視図である。
【図31】図30に示すアンテナ装置の第1の反射特性を示す図である。
【図32】図30に示すアンテナ装置の第1の共振周波数とリアクタンスX6との関係を示す図である。
【図33】図30に示すアンテナ装置の第2の反射特性を示す図である。
【図34】図30に示すアンテナ装置の第2の共振周波数とリアクタンスX6との関係を示す図である。
【図35】図30に示すアンテナ装置の第3の反射特性を示す図である。
【図36】図30に示すアンテナ装置の第3の共振周波数とリアクタンスX6との関係を示す図である。
【図37】実施の形態2による更に他のアンテナ装置の斜視図である。
その他
【0178】
この発明は、複数の共振周波数の各々を電気的に独立に可変できるアンテナ装置に適用される。
【0180】
1 地板、2,22 ループ線路、2A 一方端、2B 他方端、3〜6 導体線路、7〜9,23〜25,201〜204 可変リアクタンス素子、10,10A,10B,200,200A,200B アンテナ装置、11 給電部、12,12A,12B,12C,12D 設定回路、13,14 矢印、21 間隙部、31,32,41,42 直線部材、100 デュアルバンドアンテナ。
状態の移り変わり
2013/03/22  登録
2009/07/30  公開