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出願番号特願平7-3147271995/11/08
国際出願番号
公開番号特開平9-1324341997/05/20
公表/再公表番号
国際公開番号
公告番号
請求公告番号
登録番号特許第2958264号1999/07/23
評価スコア係数
AECIL
引用           
引用文献
被引用特願平10-051005, 特願平10-051006, 特願2008-114662, 特願2010-005644
被引用文献
関係図の参照
発明の名称自動車窓補修用仮シールおよび同シールを用いた自動車窓補修方法
出願人・権利者有限会社オーティーエス
発明者・考案者齋藤雄一
代理人大滝均
要約
請求の範囲
【特許請求の範囲】
【請求項1】 自動車の窓ガラスに生じた傷やひび割れ箇所をガラスリペア修復前に一時的に貼付し、ガラスリペア修復後は取り外す塵埃・雨水侵入防止被覆シールであって、
前記窓ガラスに生じた傷やひび割れの大きさに応じた所定寸法形状の透明フィルムと、このフィルムの片面に塗布された接着剤と、この接着剤を覆う剥離紙とからなることを特徴とする自動車窓補修用仮シール。
【請求項2】 前記透明フィルムは、厚さ0.05mm内外の透明フィルムであることを特徴とする請求項1記載の自動車窓補修用仮シール。
【請求項3】 前記透明フィルムは、塩化ビニールからなることを特徴とする請求項1または2記載の自動車窓補修用仮シール。
【請求項4】 自動車窓ガラスの部分的損傷箇所に、そのガラス部材に近い屈折率、反射率を有するリペア剤を圧入し、その後、圧入した前記リペア剤を固めた後は、この部分を表面研磨して、自動車窓ガラスの部分的損傷を修復する自動車窓ガラスリペアシステムにおいて、
前記自動車窓ガラスの損傷後、所定時間内に、前記自動車窓補修用仮シールを前記損傷箇所に貼付し、しかる後、前記リペア作業を行うに際して、前記仮シールを自動車窓ガラスから剥離し、前記自動車窓ガラスに リペア剤を注入して、損傷した自動車窓ガラスを修復することを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の自動車窓補修用仮シールを用いた自動車窓補修方法。
利用分野
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の窓に生じた傷やひび割れに、水分や撥水剤が付着し、合わせガラスリペアシステムによるガラス面の部分修復時に痕跡の発生を阻止する自動車窓自動車窓補修仮シールおよび同シールを用いた自動車窓補修方法に関する。
従来の技術
【0002】
【従来の技術】車の走行中には、他の車のタイヤ等によって道路上の小石が跳ねて、車のフロントガラスやリアウィンドガラス等にあたり、これらの窓ガラスに傷やひび割れができることがある。このフロントガラス等にはいった傷やひび割れ(以下、「損傷」という。)は、そのまま放置しておいては、自動車の運転に支障をきたし、また、フロントガラスの損傷は、車検時に不適合になるので、一刻も早く、その修復が求められている。
【0003】従来、フロントガラス等に損傷が生じた場合には、フロントガラス全体を交換することが行われていたが、フロントガラス全体の交換は、フロントガラスが、合わせガラスによって構成されており、高価格であったので、近年、損傷した部分のみを補修するガラスリペアシステムが提案されている。
【0004】ガラスリペアシステムは、図2に示すように、自動車窓ガラス10に部分的損傷が生じた場合に(図2(a)参照)、その損傷箇所11に、アクリル酸重合体等で構成され、そのフロントガラス等と同様の屈折率、反射率を有する特殊樹脂(以下、「リペア剤」という。)12を、フィクスチャー13と称する治具により高圧注入し(図2(b)参照)、その後、キュアリングランプ14と称する固化治具を用いて、注入した前記リペア剤12を固めて(図2(c)参照)、該リペア剤12が、充分に、ガラスと同化した後は、この部分を、ポリッシュ15と称する治具を用いて表面研磨し(図2(d)参照)、この損傷箇所を目立たないようにして修復するというものである(図2(e)参照)。
【0005】すなわち、前記リペア剤12は、メタクリル酸樹脂やアクリル酸樹脂等からなり、有機ガラスとも称されているものであるが、その透明度、光の屈折率が、フロントガラス等を構成する合せガラスの材質である無機ガラスの屈折率、反射率と近似しているため、無機ガラスの小さな損傷箇所に注入した場合には、そのガラス基台とほとんど同化してしまうことになる。
【0006】また、圧入前は、適度の柔らかさを有し、細部にも圧入しやすいが、圧入後は、紫外線等を利用したキュアリングランプ14で部分的に照射することにより、簡単に硬化せしめることができ、硬化後は、その表面を研磨することにより、窓ガラスとほとんど一致する屈折率、反射率によって、窓ガラスと同じに機能し、かつ、修復後は、通常の窓ガラスとして、必要な強度、透過性能等を有するため、自動車窓ガラスの部分的補修材として利用されるものである。
課題
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フロントガラス等が部分的に損傷した場合であっても、すぐに、その損傷箇所を修復できる場合には、前記ガラスリペアシステムは、充分に機能し、価値あるものであるが、修理工場の混雑、機械の待ち具合等、場合によっては、損傷後、暫くの時間の経過後でなければ、その損傷箇所を修復する機会が与えられない場合がある。
【0008】このような場合には、フロントガラス等に損傷が生じたまま、道路走行をしなければならず、この間に塵埃や雨滴が沁み込んでしまうことがあり、このような塵埃や雨滴が沁み込んでしまった損傷箇所は、その後、前記ガラスリペアシステムで補修しようとしても、内部に浸透した塵埃、雨滴等のため、どうしても、その痕跡が残らないように修復することはできなかった。すなわち、この損傷箇所は、通常は、非常に狭い隙間であり、この隙間に、雨的等の水分が入り込むと外部に排出されにくく、このような水分が入った状態で、上述の修復を行っても、補修後のフロントガラス等に水泡が残ったりして、補修が完全ではなくなる。
【0009】その意味で、このガラスリペアシステムは、損傷から修復間での時間が少ない場合には優れたものであるといえるが、損傷から修復まで、時間的余裕がありすぎる場合には、ガラスリペアシステムの評価は、今一歩の感があった。
【0010】また、最近の自動車窓、特に、フロントガラスは、雨天走行時のドライバーの良好な視界を確保するため、雨滴を表面に付着させないようにする撥水剤を表面に塗布することが多く、このような撥水剤が塗布されたフロントガラス表面に、前記のような損傷が生じると、該撥水剤を構成するシリコンが、この損傷部分に沁み込み、この撥水剤が沁み込んだ損傷部に、前記のリペア剤を注入して、表面を磨いたとしても、その光屈折率、反射率が微妙に異なるため、内部において、損傷箇所が異物として見えてしまい、運転視野を妨げる原因ともなっていた。
【0011】すなわち、前記含有シリコンが、前記損傷箇所の内部にまで入り込むと、リペア剤に混入されたシランカップリング剤等による無機ガラスと有機ガラスの接着が不十分となり、注入すべきリペア剤が剥がれてしまうことがあり、この点からも、前記ガラスリペアシステムの評価は、今、一歩のものであった。
【0012】本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたもので、損傷したフロントガラス等を修復する際に、この損傷箇所にリペア剤を注入し、基台のガラスと同化させるガラスリペアシステムにおいて、リペア作業に入る間での間にウィンドガラスの損傷箇所に、水分や塵埃、撥水剤成分等の進入を防ぐ自動車窓補修用仮シールを提供することを目的とする。
【0013】また、この自動車窓補修用仮シールを補修前に一時的に損傷箇所に張付し、前記リペア作業に入る間での間に水分や塵埃、撥水剤成分等の進入を防いだ後、このこの損傷箇所にリペア剤を注入し、基台のガラスと同化させるためにガラスリペア作業を行う同シールを用いた自動車窓補修方法を提供することを目的とする。
手段
【0014】
【課題を解決するための手段】本願請求項1に記載の発明は、自動車窓補修用仮シールに係り、自動車の窓ガラスに生じた傷やひび割れ箇所をガラスリペア修復前に一時的に貼付し、ガラスリペア修復後は取り外す塵埃・雨水侵入防止被覆シールであって、前記窓ガラスに生じた傷やひび割れの大きさに応じた所定寸法形状の透明フィルムと、このフィルムの片面に塗布された接着剤と、この接着剤を覆う剥離紙とからなることを特徴とするものである。
【0015】また、本願請求項2に記載の発明は、請求項1記載の自動車窓補修用仮シールに係り、厚さ0.05mm内外の透明フィルムを使用したことを特徴とするものである。さらに、本願請求項3記載の発明は、前記請求項1または2記載の自動車窓補修用仮シールに係り、前記透明フィルムは、塩化ビニールからなることを特徴とするものである。
【0016】また、本願請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3記載の自動車窓補修用仮シールを用いた自動車窓補修方法に係り、自動車窓ガラスの部分的損傷箇所に、そのガラス部材に近い屈折率、反射率を有するリペア剤を圧入し、その後、圧入した前記リペア剤を固めた後は、この部分を表面研磨して、自動車窓ガラスの部分的損傷を修復する自動車窓ガラスリペアシステムにおいて、前記自動車窓ガラスの損傷後、所定時間内に、前記自動車窓補修用仮シールを前記損傷箇所に貼付し、しかる後、前記リペア作業を行うに際して、前記仮シールを自動車窓ガラスから剥離し、前記自動車窓ガラスに リペア剤を注入して、損傷した自動車窓ガラスを修復することを特徴とするものである。
効果
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、跳ね石等によって自動車の窓、特にフロントガラスが損傷した場合に、ガラスリペアシステムを用いて、その損傷部分を修復するまでの間、自動車窓補修用仮シールにより、その損傷部分を覆うようにしたので、自動車窓のガラスリペア作業を行うまでの間に、水分、塵埃、シリコン物質等の混入を防止することができ、自動車のフロントガラス等の損傷を、すぐにも修復することができない場合でも、ガラスリペアシステムを用いて修復しても、その痕跡や水泡跡が残ることなく、ほぼ完全にフロントガラス等の修復が可能となる。
【0045】また、自動車窓ガラスに、雨天時の雨除け用の撥水スプレーが使用されている場合や洗車の際に、該撥水スプレーや洗車剤に含まれているシリコンが、前記損傷面に付着するのを防止することができ、この場合にも、前記ガラスリペアシステムを用いた完全な自動車窓ガラスの修復が可能となる
これにより、部分的に自動車窓ガラスの修復を可能とするガラスリペアシステムの利用価値がさらに高まり、さらに、近年における資源の有効利用の面においても、わずかな傷や損傷の等のために、自動車窓ガラスの全交換の必要をなくし、省資源的効果に優れたものである。また、損傷箇所に、多少の水分が残っていても、貼付後に、この水分が、抜け出るので、冠水した損傷箇所にも、前記ガラスリペア作業を行うことができるという効果がある。
実施例
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に係る自動車窓補修用仮シールおよび同シールを用いた自動車窓補修方法は、自動車窓ガラスの損傷箇所に貼付することにより、運転の視界を妨げることなく、かつ、その間に、該損傷箇所に水分、塵埃、シリコン等の化学物質の混入を一時的に防止して、その後のガラスリペアシステムの採用を円滑化ならしめようというものである。
【0018】
【実施例】本発明の一実施例に係る自動車窓補修用仮シールについて図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例に係る自動車窓補修用仮シールの概略断面図を示すものであり、自動車窓補修用仮シール1は、図1に示すように、3センチ内外の円形を有する厚さ0.05mm内外の透明な塩化ビニールフィルム2と、この塩化ビニールフィルムの片面に0.03mm内外の厚さで塗布され、自動車の窓ガラスに密着させるための接着剤であるアクリル系粘着剤3と、このアクリル系粘着剤3が、不要な場所に貼り付かないようにする、あるいは、通常の保存状態では、該粘着剤3にゴミや汚れが付かないようにするため、該粘着剤3の塗布面を覆う剥離紙4とで構成されている。
【0019】該シール1は、自動車の窓に貼り付けるため、ドライバーの視界を妨害しないよう透明度が必要であり、また、雨天であったり、降雪、まれに、降雹等があった場合にも、これらの水分が、該シール1から浸透することを防ぎ、あるいは、雨天、降雪、降雹等の場合の雨滴、氷滴等を窓ガラスから払い取るため、ワイパーを作動させるが、このワイパー動作によっても、このシール1は、容易に剥離されない必要がある。
【0020】また、該ワイパー動作によって、それ自体が、容易に損傷されない程度の硬度を有していることが要求される。このためには、該シール1は、適度な固さを有するとともに、極薄で、かつ、柔軟構造を有し、自動車の窓ガラスに接着される場合にも、フロントガラス等とのあいだに隙間や捩れなく密着して貼付されることが必要である。
【0021】つぎに、自動車の表面は、過酷な温度差や、湿度環境、紫外線照射環境等の状況下におかれることが多く、前記シール1には、耐候性が要求される。すなわち、夏期、炎天下においては、自動車の表面温度は、60℃から80℃に至ることもあり、また、冬期夜間には、自動車の表面温度は、0℃からマイナス10℃の中に放置される場合があり、該シール1は、このような低温から高温に耐えられる対熱性を有する必要がある。
【0022】すなわち、上述したような温度変化に対し、該シール1自体が、熱収縮を起したり、また、アクリル系粘着剤3自体が熱収縮を起こすようなものであってはならない。さらに、該シール1の熱収縮が起きた場合にも、該シール1に塗布されたアクリル系粘着剤3とフロントガラス等との間に収縮による隙間ができたり、亀裂ができたりしてはならない。該シール1が収縮して、間隙や亀裂が生じては、ガラスリペアシステムの採用までの間に、ガラス表面の損傷箇所に雨滴、塵埃、シリコン物質等の混入が避けられないからである。
【0023】つぎに、該シール1は、曲面追従性に優れている必要性がある。通常自動車のフロントガラス等は、高速で走行することによる空気抵抗を少なくするため、その流体力学における構造上なだらかな曲面を描いている。該シール1は、このような曲面に貼った場合でも、水や大気汚染物質が損傷箇所等に入り込まないように、曲面を有するフロントガラス等に貼った場合においても隙間ができないように曲面追従性に優れている必要がある。
【0024】また、自動車が走行する道路には、自動車から排出される排ガスや、工場等から排出される汚染物質等により、様々な大気汚染物質が入り混ざっている。該シール1は、これらの物質と化学変化を起こして溶ける、あるいは、破損することにより、損傷た箇所等に大気汚染物質が入り込まないようにする必要がある。そのため、該シール1には、耐化学薬品性が要求される。
【0025】<実施例1>そこで、このような損傷した自動車窓に貼り付ける自動車窓補修用仮シール1として、優れた特性を有する材質について、本願発明者は、試験研究を続けた結果、この自動車窓補修用仮シール1として、住友スリーエム株式会社製外装用フィルムとして市販されているフィルムシール(商品名:スコッチカルシール)が、適切であることを知りえた。
【0026】このフィルムシールの特性は、つぎのようなものである。すなわち、前記フィルムシールを自動車用焼付塗板に貼り付けて、各種、温度変化、湿度変化において、伸張等各種の特性を調べる試験を行った。まず、このシール1を、20℃±2℃、65%RHの条件で、前記自動車用焼付塗装板に貼り付け、48時間、同条件に放置したものを用いて、次の諸特性を検証した。
【0027】1.マイクロメーターを用いて、接着剤を含む厚さを測定した。
2.テンシロン引張試験機を用いて、つかみ間隔100mmで、300mm/分引っ張って、その引張り強度を測定した。
3.同テンシロン引張試験機を用いて、つかみ間隔100mmで300mm/分の速度で引っ張って、その伸び率を測定した。
4.接着力試験として、同テンシロン引張試験機を用いて、つかみ間隔100mmで300mm/分の速度で180度方向に引き剥がして、その加える力とずれを測定した。
【0028】5.寸法安定性として、10cm×25cmのパネルに、該シール1を貼り付け、65℃で、48時間加熱後、このシール断面のクロスカットの最大開きを測定した。
6.使用温度範囲として、各温度にさらし、良好な接着力の維持と、最小限の変色を目視観察した。
7.耐衝撃試験として、0℃の環境下において、ガードナー衝撃試験機により、0.6メートルの高さから、2.3kgのオモリを落下させて、その変形を目視した。
8.耐化学薬品性として、40℃の温水に24時間浸漬、エチレングリコールと水を一対一に割合で混合した物に24時間浸漬、SEA20モーターオイルに24時間浸漬、10%の塩酸に10分間浸漬、10%のアンモニア水に10分間浸漬、メチルアルコールに10分間浸漬させて、それぞれの変化を目視した。
【0029】この結果、次のような表1に掲げる特性を得た。
【0030】表1に掲げる特性が示すように、このフィルムシールは、接着剤を含む厚さは、0.08mm、引張り強度は、3.4kg/25.4mm、伸び率として、120%、接着力として、2.5kg/25.4mm、寸法安定性として、0.15mmを得た。また、使用温度範囲としては、マイナス60℃から107℃までの範囲においては、良好な接着力と使用可能な最小限の変色を認めるにすぎず、また、連続使用温度範囲としては、65℃までの範囲での、上記良好接着力と最小限無変色を認めるに致った。
【0031】また、耐衝撃性試験においては、上記の条件では、影響は見られなかったし、耐科学薬品性試験においても、上記の条件では、影響は見られなかった。このように、スコッチカルを用いた自動車窓補修用仮シール1は、上述したような耐候性、温度変化、曲面追従性、耐化学薬品性に優れており、自動車窓補修用仮シール1として、フロントガラス等の傷や損傷を十分に保護できるものである。
【0032】<実施例2>つぎに、第二の実施例として、本発明に係る自動車窓補修用仮シール1に、ファンタック社製汎用型フィルム(商品名:ファンタックFE)を用いて、検証した結果、このシールも、略同様の効果を見いだし得ることができ、このシールを本願発明に係る自動車窓補修用仮シールとして適切であることが知りえた。このフィルムシールの特性は、つぎのようなものである。すなわち、前記同様、該フィルムシール(ファンッタックFE−6010ホワイト)を焼付塗膜ホワイトに貼り付けて、各種、温度変化、湿度変化において、伸張等各種の特性を調べる試験を行った。なお、該シール1の諸特性検証の条件は、検証項目により異なる。また、引張強度、引張伸び率、接着力については、試験温度を23±2℃で行った。
【0033】まず、以下の1から8に示すように基本的な特性を測定した。
1.ダイヤルシックネスゲージを用いて、接着剤を含む厚さを測定した。
2.該シール1の60度鏡面反射率で初期光沢を測定した。
3.テンシロン引張試験機を用いて、300mm/分で引っ張って、その引張り強度を測定した。
4.同テンシロン引張試験機を用いて、300mm/分の速度で引っ張って、その伸び率を測定した。
5.タック試験として、ボールタック(J.Dow法)で粘着力を測定した。
6.保持力試験として、25mm×25mmの試験片に垂直方向にオモリ等1kgを荷重して測定した。
7.耐熱収縮性試験として、60mm×60mmの試験片を80℃に加熱し、168時間放置して測定した。
8.接着力試験として、テンシロン引張試験機を用いて、25mm×100mmの試験片を300mm/分の速度で180度方向に引き剥がして、その加える力とずれを接着後1時間と、接着後48時間について測定した。
【0034】つぎに、以下の9から14に示すような外観性能について測定した。
9.耐熱性試験として、80℃で240時間放置した。
10.耐水性試験として、40℃の上水に168時間浸漬した。
11.耐湿性試験として、50℃BB(50℃、95%加湿状態のブリスターボックス内に該シールを収納して、その変化状態検査)で、168時間経ても何の変化も見られなかった。
12.耐化学薬品性として、室温のガソリンに30分浸漬、室温のエンジンオイルを一部分に0.5ml置き4時間放置、室温のウィンドウォッシャー液を一部分に0.5ml置き4時間放置、、室温の保護ワックスを一部分に0.5ml置き4時間放置、5%の水酸化ナトリウム(NaOH)を一部分に0.5ml置き4時間放置、10%の塩酸(Hcl)を一部分に0.5ml置き4時間放置させて、それぞれの変化を目視した。
13.促進耐候性試験として、サンシャインウエザーメーターを用いて200時間検証を行った。
14.屋外耐候性試験として、平塚(神奈川県平塚市)に5年間自然放置した。
【0035】この結果、次のような表2に掲げる基本特性、および表3に掲げる外観性能を得た。
【0036】
【0037】表2に掲げる基本特性が示すように、このフィルムシールは、接着剤を含む厚さは、0.08mm+0.01mm、初期光沢は、65%以上、引張り強度は、2.0kg/25.mm以上、伸び率として、100%以上、粘着力(タック)として、3以下、保持力として、24時間以上、耐熱収縮性として、0.05mm以下を得た。また、接着力は、初期(接着後1時間)は、1000g/25mm以上、通常状態(接着後48時間)においては、1500g/25mm以上であり、良好な強度、伸び率、接着力を認めるに致った。
【0038】また、表3に掲げる外観性能が示すように、上記の条件では、剥離、割れ、膨れ、変退色、軟化等の影響が見られなかったし、耐化学薬品性試験においても上記の条件では、異常はなく使用可能な最小限の変色を認めるにすぎなかった。さらに、耐候性については、人工的耐候性と、自然耐候性において、剥離、割れ、膨れ、変退色、軟化等に著しい変化は見られなかった。このように、ファンタックFEを用いた自動車窓補修用仮シール1は、上述したような温度変化、耐化学薬品性、耐候性に優れており、自動車窓補修用仮シール1として、フロントガラス等の傷や損傷を一時的に覆い、その結果、その後のガラスリペア作業の適用に十分に機能するものである。
【0039】また、上記のような実施した2種類のシールを実際の自動車窓ガラスの損傷箇所に貼付したものは、上記の各表に示された特性性能から得られるものの外、これらのシール材を使用した限りでは、内部に、幾分の水分が残っていても、シール貼付後、このシールを通して、該水分が、抜け出ることが知りえた。おそらくは、シール材を構成する物質の間隙を潜って、水分粒子が蒸発するものと推察される。したがって、多少の水分が混入している損傷箇所であっても、このシールを貼付することにより、該水分が抜け出さすことができ、前記ガラスリペア作業が充分に機能するという効果がある。
【0040】つぎに、本発明の自動車窓補修用仮シール1の使用方法について説明する。なお、該シール1の使用方法は、第一の実施例と第二の実施例のシールに共通するものである。ドライバーは、自動車のフロントガラス等が、跳ね石等の衝撃により損傷した場合、該シール1から剥離紙4を剥離し、フロントガラス等との間に、隙間ができないように損傷等の箇所を完全に覆い接着する。この場合、自動車の使用環境条件にもよるが、通常の使用環境の下では、少なくとも、損傷後、ワイパーの作動がない状態で、60分以内、条件が良ければ、場合によっては、36時間から48時間以内に、該箇所に該シールを貼付すれば、痕跡が目立たない程度に修復することができる。
【0041】なお、上記の実施例では、自動車窓補修用仮シール1を3cmの円として説明したが、これは、この大きさに限る趣旨ではなく、例えば、一定大の該シール1を予め用意しておき、窓ガラス等に損傷が生じた際に、必要に応じて、カッティング等をして使用できるようにしてもよいし、当初の寸法としては、3cmに限らず、また、円、楕円、方形等形状に限定されず、さらには、透明を維持できる限りは、厚さに限らないものである。ただし、あまりに厚すぎると、ワイパー動作に悪影響を与え、または、ワイパー動作により、引き剥がされたり、破損したりする原因となるので、強度および粘着強度との関係から、該シールは、所定厚さ以内のものに限られるのは当然である。
【0042】また、本実施例においては、自動車窓補修用仮シール1として、塩化ビニール製の透明フィルムを用いたが、これは透明であって、ガラスリペア作業までの間、損傷箇所に一時的に貼付し、その間、ワイパー等によって擦られても、摩耗や剥離等が行われない強度のものであり、また、窓ガラスが、周囲の熱、冷気によって、全体的にまたは部分的に膨張、収縮しても、これに応じて、膨張、収縮を可能な特性を有するものであるならば、塩化ビニールに限らないものである。
【0043】なお、本実施例では、自動車のフロントガラス等と透明フィルム(塩化ビニール)を密着させる接着剤としてアクリル系粘着剤を用いたが、ガラスと透明フィルムが変質することなく密着でき、上記したような諸条件にも対応し、ガラスリペア作業前にフロントガラス等に残らない接着剤であれば、特にアクリル系粘着剤に限らないものである。
図の説明
【図1】本発明の一実施例に係る自動車窓補修用仮シールの構成図である。
【図2】自動車窓ガラスの部分的損傷箇所を修復するガラスリペアシステムの概略を示す図である。
【符号の説明】
1・・・自動車窓補修用仮シール
2・・・塩化ビニールフィルム(透明フィルム)
3・・・アクリル系粘着剤
4・・・剥離紙
10・・・窓ガラス
11・・・損傷箇所
12・・・リペア剤
13・・・フィクスチャー
14・・・キュアリングランプ
15・・・ポリッシュ
その他
状態の移り変わり
1999/07/23  登録