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出願番号特願2008-0152512008/01/25
国際出願番号
公開番号特開2009-1719032009/08/06
公表/再公表番号
国際公開番号
公告番号
請求公告番号
登録番号特許第4908434号2012/01/20
評価スコア係数
AECIL
発明の名称顆粒状造粒物及びその製造方法
出願人・権利者ハウス食品株式会社
発明者・考案者岸孝礼, 金井和代, 朝武宗明, 富田将史
代理人
要約

【課題】コラーゲンペプチド粉末を含む顆粒形態のコラーゲンを含む造粒物であって、水に加えた際に、沈降溶解性がよく、速やかに沈降溶解する前記造粒物を提供することを目的とする。【解決手段】非多孔質で薄片状のコラーゲンペプチド粉末と結着剤とを造粒したことを特徴とする顆粒状造粒物。非多孔質で薄片状のコラーゲンペプチド粉末を流動層造粒機に投入し、結着剤の溶液を噴霧して該コラーゲンペプチド粉末を造粒することを特徴とする顆粒状造粒物の製造方法。【選択図】図3
請求の範囲
【請求項1】
非多孔質で薄片状のコラーゲンペプチド粉末と結着剤とを造粒したことを特徴とする顆粒状造粒物。
【請求項2】
前記コラーゲンペプチド粉末がドラム乾燥法によって得られたものである請求項1記載の顆粒状造粒物。
【請求項3】
流動層造粒したものである請求項1又は2記載の顆粒状造粒物。
【請求項4】
140メッシュ(目開き106μm)にオンするものが50%以上である請求項1〜3何れか1項に記載の顆粒状造粒物。
【請求項5】
液体に溶解して飲用するものである請求項1〜4何れか1項に記載の顆粒状造粒物。
【請求項6】
非多孔質で薄片状のコラーゲンペプチド粉末を流動層造粒機に投入し、結着剤の溶液を噴霧して該コラーゲンペプチド粉末を造粒することを特徴とする顆粒状造粒物の製造方法。
【請求項7】
前記コラーゲンペプチド粉末がドラム乾燥法によって得られたものである請求項6記載の製造方法。
利用分野
【0001】
本発明は、速やかに水に浸透溶解することができるコラーゲンを含む顆粒状造粒物とその製造方法に関する。
従来の技術
【0002】
コラーゲンは、皮膚、血管、腱、歯などの組織に存在する繊維状の蛋白質で、体を構成する全蛋白質の約30%を占めるものである。コラーゲンは、「美容によい」「骨・関節疾患に伴う症状の緩和によい」等といわれており、飲料、サプリメントなどの健康食品に幅広く用いられている。コラーゲン又はゼラチンを酵素や酸で加水分解処理して溶解性等を改善したコラーゲンペプチドもこれらに用いられている。
特許文献1には、コラーゲンパウダー及びショ糖を流動層造粒装置に仕込み、攪拌混合して、結着剤となるグアーガム水溶液とメチルセルロース水溶液を噴霧して造粒した顆粒形態のコラーゲン含有食品組成物が記載されている(段落番号0016)。この組成物は水無で食するのに好適なものである(段落番号0001)。
特許文献1には、コラーゲンパウダーとして「コラーゲンパウダーFGH」(ユニッテクフーズ株式会社製)を好適に用いることが記載されている(段落番号0008、0016)。非特許文献1によれば、「コラーゲンパウダーFGH」は、コラーゲンの液体を微細な霧状にし、これを熱風中に噴出させて粉状の乾燥物を得るスプレー乾燥法によって得られたコラーゲンペプチドであることが記載されている。
【特許文献1】特開2006−34183号公報
【特許文献1】ユニッテクフーズ株式会社 コラーゲンパウダーFGHパンフレット
【0003】
また、特許文献1記載の水無で食する形態の他に、コラーゲンペプチド粉末と結着剤を造粒した、水に溶解して飲料等にする顆粒形態のコラーゲン含有食品も市販されている。
課題
【0004】
本発明者らは、前記の水に溶解して飲料等にする顆粒形態のコラーゲンを含む食品の開発を試みる過程で、市販されている顆粒食品を水に加えると、水中への沈降性及び溶解性がわるく、速やかに沈降溶解せず、同時に、微小気泡の発生により水が著しく白濁化して透明性が失われる問題に遭遇した。
したがって、本発明は、コラーゲンペプチド粉末を含む顆粒形態のコラーゲンを含む造粒物であって、水に加えた際に、沈降溶解性がよく、速やかに沈降溶解する前記造粒物を提供することを目的とする。また、このような顆粒状造粒物の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
本発明者らは、前記の水に溶解して用いる顆粒食品について研究し、特に原料であるコラーゲンペプチド粉末の形態に着目したところ、市販されているコラーゲンペプチド粉末は、スプレー乾燥法によって得られたものが殆どであった。また、市販されている含有食品は全て、スプレー乾燥法によって得られたコラーゲンペプチド粉末が使用されていると推察された。
そして、スプレー乾燥法によって得られたコラーゲンペプチド粉末は、水に加えた場合に、沈降溶解性がわるく、微小の気泡が発生して溶液が白濁することが判明した。また、スプレー乾燥法によって得られたコラーゲンペプチド粉末とバインダー液との造粒物も沈降溶解性がわるく、同様に溶液が白濁することが判明した。
【0006】
他方、加熱された回転ドラムの表面に材料をフィルム状に付着させ、ドラムが回転する間に乾燥し、これを掻き取って乾燥品を得るドラム乾燥法によって得られたコラーゲンペプチド粉末も知られている。しかし、上記のドラム乾燥法によって得られたコラーゲンペプチド粉末(原末)では、前記のスプレー乾燥品に比べて溶液の透明性は保持されるが、水に対する沈降溶解性がわるいことを確認した。
そして、ドラム乾燥法によって得られたコラーゲンペプチド粉末とバインダー液との造粒物だけが、水に対する沈降溶解性に優れ、溶液の透明性を保持することができることを見出した。
手段
【0007】
本発明は、非多孔質で薄片状のコラーゲンペプチド粉末と結着剤とを造粒したことを特徴とする顆粒状造粒物を特徴とする。
また、本発明は、非多孔質で薄片状のコラーゲンペプチド粉末を流動層造粒機に投入し、結着剤の溶液を噴霧して該コラーゲンペプチド粉末を造粒することを特徴とする顆粒状造粒物の製造方法を別の特徴とする。
効果
【0008】
本発明のコラーゲンペプチド粉末を含む顆粒状造粒物は、水に溶解して飲料等にする場合に、沈降溶解性がよく、速やかに沈降溶解するという利点がある。
実施例
【0009】
本発明で用いるコラーゲンペプチド粉末は、コラーゲン又はゼラチンを酵素や酸で加水分解処理したものを乾燥処理して粉末としたものである。粉末とする際には、精製された動物の皮等の動物組織を水中で分散または溶解、なめし(安定化)、脱水、造粒、乾燥、粉砕の各処理を順次なすことができる。
コラーゲンペプチド粉末は、分子量が数百〜1万程度のものが望ましく、これにより水に対する沈降溶解性と、溶解時にゾル化・ゲル化しない性能が得られ、顆粒状造粒物の沈降溶解性が好適に達成される。コラーゲンペプチド粉末は、生理機能性を得るものとして用いることができる。
【0010】
本発明で用いるコラーゲンペプチド粉末は、非多孔質であり、顕微鏡で観察した場合に、コラーゲンペプチド粉末の表面あるいは断面の組織に、多数の略円形の穴がみられない。尚、一般に市販されているスプレー乾燥品のコラーゲンペプチド粉末は、コラーゲンペプチド粉末の表面あるいは断面の組織に、多数の略円形の穴が認められる。
【0011】
更に、本発明で用いるコラーゲンペプチド粉末は、薄片状のものである。ここで、薄片状とは、顕微鏡で観察した場合に、球形乃至それが壊れた形状ではない、角のある破片状の薄片として認められるものをいう。一般に市販されているスプレー乾燥品のコラーゲンペプチド粉末では、上記の球形乃至それが壊れた形状が認められる。前記の非多孔質の構造及び薄片形状は、顕微鏡により通常100〜1000倍程度の倍率で観察することができる。
前記の非多孔質の構造及び薄片形状によって、顆粒状造粒物の水に対する沈降溶解性が向上する。また、溶液中に微小の気泡が発生せず、溶液が透明な場合等はその透明性を保持することができる。前記の非多孔質の構造及び薄片状でない場合には、顆粒状造粒物の沈降溶解性がわるく、溶液中に微小の気泡が発生して溶液が白濁する。
【0012】
コラーゲンペプチド粉末は、42メッシュ(目開き355μm)を通過するものが80%以上のものがよく、83メッシュ(目開き180μm)を通過するものが60%以上のものがさらによい。顆粒状造粒物の水に対する沈降溶解性が向上するためである。尚、本発明でメッシュの目開きの値はJIS規格に準じたものである。
【0013】
コラーゲンペプチド粉末を調製する場合は、コラーゲン又はゼラチンを酵素や酸で加水分解処理したコラーゲンペプチド溶液を乾燥処理して前記構成の粉末とすればよい。非多孔質で薄片状のコラーゲンペプチド粉末は、ドラム乾燥法によって得ることができる。より具体的には、コラーゲンペプチドを加熱されたドラムの表面に押し当てて乾燥し、これを掻き取ることによって得ることができる。
【0014】
結着剤は、コラーゲンペプチド粉末を造粒により結合するため、通常溶液として用いる。物質としては、グアガム、アラビアガム、ローカストビーンガムなどのガム類、トレハロース、ゼラチン、デキストリン、アルギン酸ソーダ、各種澱粉、糖類、糖蜜、グリセリン、カゼインナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、各種結晶セルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、樹脂、ヒアルロン酸、コンドロイチン、グルコサミンが挙げられ、求める造粒物などに応じ適宜選択すればよい。ヒアルロン酸、コンドロイチン、グルコサミン等の生理機能性の水溶性物質を用いる場合には、前述の生理機能性の水溶性物質のコラーゲンペプチド粉末と組合せて、生理機能性の高い顆粒状造粒物を調製することが可能となる。
【0015】
結着剤溶液には、必要により、甘味料、調味料、ビタミンCなどの各種ビタミン、鉄分、カルシウムなどのミネラル、食物繊維、乳酸菌などの栄養素、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、フマール酸などの有機酸を含むことができる。
【0016】
本発明の顆粒状造粒物は、造粒によりコラーゲンペプチド粉末と結着剤を結着させ、粉末状に形成したものである。
造粒手段としては、流動層造粒、転動造粒、押出し造粒、撹拌造粒、スプレー乾燥造粒法が挙げられ、特に流動層造粒が好適である。顆粒状造粒物の水に対する沈降溶解性が向上することができる。流動層造粒は粉体(本発明ではコラーゲンペプチド粉末となる)を空気で流動化させ、結着剤溶液をスプレーして凝集造粒する方式である。尚、造粒後には更に粉砕処理や整粒処理等を施してもよい。
【0017】
本発明の顆粒状造粒物は、非多孔質であり、コラーゲンペプチド粉末の場合と同様に、顕微鏡で観察した場合に、造粒物の表面あるいは断面の組織に、多数の略円形の穴がみられない。これに対し、一般に市販されているスプレー乾燥品のコラーゲンペプチド粉末の造粒物では、上記の多数の略円形の穴が認められる。
【0018】
本発明の顆粒状造粒物は、顕微鏡で観察した場合に、薄片状のコラーゲンペプチド粉末が集合した形状として認められるものをいう。
【0019】
顆粒状造粒物の粒径は、140メッシュ(目開き106μm)にオンするものが50%以上のものがよい。140メッシュにオンし、かつ16メッシュ(目開き1000μm)を通過するものが60%以上のものが更によい。顆粒状造粒物の水に対する沈降溶解性が向上するためである。
【0020】
本発明の顆粒状造粒物を利用した製品形態としては、水、牛乳、ジュース、コーヒー等の液体に溶解して飲料等にする形態、ヨーグルト、ゼリー等に溶解して喫食する形態、ゼリー等のように液体に溶解にしてゲル化させる形態が挙げられる。透明な液体に溶解して、透明なコラーゲンペプチドの溶解した食品形態が併せて挙げられる。
【0021】
以下実施例に基づいて本発明について説明するが、これに限らず種々応用変形をなし得ることはいうまでもない。
図の説明
【0035】
【図1】実施例1で使用したコラーゲンペプチド粉末の電子顕微鏡写真を示す。
【図2】実施例1で使用したコラーゲンペプチド粉末をエタノール中に沈めた場合の実体顕微鏡写真を示す。
【図3】実施例1で得た顆粒状造粒物の電子顕微鏡写真を示す。
【図4】実施例1で得た顆粒状造粒物をエタノール中に沈めた場合の実体顕微鏡写真を示す。
【図5】比較例1で使用したコラーゲンペプチド粉末の電子顕微鏡写真を示す。
【図6】比較例1で使用したコラーゲンペプチド粉末をエタノール中に沈めた場合の実体顕微鏡写真を示す。
【図7】比較例1で得た顆粒状造粒物の電子顕微鏡写真を示す。
【図8】比較例1で得た顆粒状造粒物をエタノール中に沈めた場合の実体顕微鏡写真を示す。
その他
状態の移り変わり
2012/01/20  登録
2009/12/22  審査中
2009/08/06  公開