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出願番号特願2005-2451172005/08/26
国際出願番号
公開番号特開2006-0967502006/04/13
公表/再公表番号
国際公開番号
公告番号
請求公告番号
登録番号特許第5182774号2013/01/25
評価スコア係数
AECIL
発明の名称発毛抑制剤用原液、発毛抑制剤、及びその製造方法
出願人・権利者鮎川泰三, 塚田聖子
発明者・考案者鮎川泰三
代理人福田賢三, 福田伸一, 加藤恭介, 福田武通
要約

【課題】 皮膚刺激が殆ど無く、発毛抑制効果が高い発毛抑制剤用原液、発毛抑制剤、及びその製造方法を提供する。【解決手段】 本発明の発毛抑制剤は、白菊の花弁エキスとごぼうの種子エキスを主成分とする2種混合エキス、又はそれに桃の葉エキスを加えてなる3種混合エキスに、水及び/又はアルコール類からなる希釈剤を混合して、アルカリ側に調整したものである。【選択図】 なし
請求の範囲
【請求項1】
エタノールで抽出した白菊の花弁エキス及びエタノールで抽出したごぼうの種子エキスを主成分とする2種混合エキスからなり、アルカリ側に調整されていることを特徴とする発毛抑制剤用原液。
【請求項2】
前記2種混合エキスに、エタノールで抽出した桃の葉エキスを香料として混合してなることを特徴とする請求項1に記載の発毛抑制剤用原液。
【請求項3】
エタノールで抽出した白菊の花弁エキス及びエタノールで抽出したごぼうの種子エキスを主成分とする2種混合エキスに、水及び/又はアルコールからなる希釈剤を混合してアルカリ側に調整されていることを特徴とする発毛抑制剤。
【請求項4】
前記2種混合エキスに、エタノールで抽出した桃の葉エキスを香料として混合してなることを特徴とする請求項3に記載の発毛抑制剤。
【請求項5】
エタノールで抽出した白菊の花弁エキスとエタノールで抽出したごぼうの種子エキスとを混合してなる前記2種混合エキス、若しくは前記2種混合エキスにエタノールで抽出した桃の葉エキスを香料として混合してなる3種混合エキス5〜30重量%に、水及び/又はアルコールからなる希釈剤70〜95重量%を混合してなり、アルカリ側に調整されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の発毛抑制剤。
【請求項6】
エタノールを用いて白菊の花弁エキス、ごぼうの種子エキス、桃の葉エキスをそれぞれ抽出し、白菊の花弁エキス及びごぼうの種子エキスを主成分とする2種混合エキス若しくは前記2種混合エキスに桃の葉エキスを香料として混合してなる3種混合エキスをアルカリ側に調整し、水及び/又はアルコールからなる希釈剤を混合し、アルカリ側に調整することを特徴とする発毛抑制剤の製造方法。
利用分野
【0001】
本発明は、皮膚の刺激が殆ど無いばかりでなく香気が良好で、しかも発毛抑制効果が著しく長期間である発毛抑制剤用原液、発毛抑制剤、及びその製造方法、並びに発毛抑制方法に関する。
従来の技術
【0002】
髭、或いは胸や足、手などの体毛は、現代のファッション感覚では「むだ毛」と認識されることがあり、シェーバーや抜毛器等の美容器具を用いて脱毛処理されている。また、最近では電気を用いた処理も行われている。また、皮膚に脱毛剤等を塗布して髭や体毛を脱毛処理する方法も知られている。
【0003】
しかし、これらの美容器具や電気、脱毛剤を用いた処理であっても、体質によって相違するが数短時間後若しくは1日経過後には発毛するので、再び同様な脱毛処理を繰り返す必要がある。
そして、特にシェーバーを用いる方法では、皮膚表面を傷付けるおそれもあり、また抜毛器を用いる方法では、痛みを伴うという問題があった。電気や脱毛剤を用いた脱毛処理においても、一部では皮膚がかぶれる等の皮膚障害が報告されている。
【0004】
そのため、これらの従来の処理方法における問題を生ずることなく髭や体毛の発毛を抑制する薬剤組成物が希求され、いくつかの提案がなされている。
例えば特許文献1には、アルニカ、アロエ等の抗男性ホルモン作用を有する抽出物と、オレンジ油、カラウェー油等の抗男性ホルモン作用を有する精油と、アセンヤク、キウイ等の皮膚収れん作用、毛細血管収縮作用を有する抽出物とからなる抑制剤が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、上記特許文献1の組成物に、ヒオウギと、天然及び/又は化学収縮されたリン脂質、或いは水溶性高分子を加えた抑制剤が開示されている。
さらに、特許文献3には、マツの実、蓮子、ナンバ毛から選ばれる一種以上の生薬又はその抽出物を有効成分とする抑制剤が開示されている。
【特許文献1】特開2001−316234号公報
【特許文献2】特開2003−137747号公報
【特許文献3】特開2004−189647号公報
課題
【0006】
しかしながら、前記従来の特許文献1〜3は、それぞれに発毛抑制効果があったものとして報告されてはいるものの、個人の体質等による差が影響しているためか、十分な発毛抑制効果が得られない場合もあった。
そのため、本発明は、体毛除去処置に基づく刺激や皮膚障害を排除し、しかも体毛の発毛を長期間効果的に抑制して処置回数を減らすことのできる発毛抑制剤を提案することを目的とする。
手段
【0007】
本発明は上記に鑑み提案されたもので、本願の請求項1に記載の発明は、エタノールで抽出した白菊の花弁エキス及びエタノールで抽出したごぼうの種子エキスを主成分とする2種混合エキスからなり、アルカリ側に調整されていることを特徴とする発毛抑制剤用原液に関するものである。
【0010】
また本願の請求項2に記載の発明は、前記2種混合エキスに、エタノールで抽出した桃の葉エキスを香料として混合してなることを特徴とする発毛抑制剤用原液に関するものである。
【0012】
また本願の請求項3に記載の発明は、エタノールで抽出した白菊の花弁エキス及びエタノールで抽出したごぼうの種子エキスを主成分とする2種混合エキスに、水及び/又はアルコールからなる希釈剤を混合してアルカリ側に調整されていることを特徴とする発毛抑制剤に関するものである。
【0015】
また本願の請求項4に記載の発明は、前記2種混合エキスに、エタノールで抽出した桃の葉エキスを香料として混合してなることを特徴とする発毛抑制剤に関するものである。
【0017】
また本願の請求項5に記載の発明は、エタノールで抽出した白菊の花弁エキスとエタノールで抽出したごぼうの種子エキスとを混合してなる前記2種混合エキス、若しくは前記2種混合エキスにエタノールで抽出した桃の葉エキスを香料として混合してなる3種混合エキス5〜30重量%に、水及び/又はアルコールからなる希釈剤70〜95重量%を混合してなり、アルカリ側に調整されていることを特徴とする発毛抑制剤に関するものである。
【0018】
また本願の請求項6に記載の発明は、エタノールを用いて白菊の花弁エキス、ごぼうの種子エキス、桃の葉エキスをそれぞれ抽出し、白菊の花弁エキス及びごぼうの種子エキスを主成分とする2種混合エキス若しくは前記2種混合エキスに桃の葉エキスを香料として混合してなる3種混合エキスをアルカリ側に調整し、水及び/又はアルコールからなる希釈剤を混合し、アルカリ側に調整することを特徴とする発毛抑制剤の製造方法に関するものである。
効果
【0021】
本発明の発毛抑制剤用原液は、白菊の花弁エキスとごぼうの種子エキスを主成分とする2種混合エキス、又はそれに桃の葉エキスを加えてなる3種混合エキスからなる高濃度液(濃厚溶液)をアルカリ側に調整したものであって、希釈して発毛抑制剤そのものとして使用することもできるし、或いは各種の化粧品類に配合して発毛抑制効果を付与することもできる。
【0022】
本発明の発毛抑制剤は、白菊の花弁エキスとごぼうの種子エキスを主成分とする2種混合エキス、又はそれに桃の葉エキスを加えてなる3種混合エキスに、水及び/又はアルコール類からなる希釈剤を混合して、アルカリ側に調整したものである。この発毛抑制剤は、髭、或いは胸や足、手などの体毛の処理に際し、皮膚に数回程度塗布するだけで、長期間(4〜5日程度)も発毛が抑制される効果が発現し、しかも男女及び個人の体質にほとんど関係が無く効果が発揮されるものである。
そして、この発毛抑制剤は、白菊の花弁エキス、ごぼうの種子、桃の葉エキスを混合した植物製であるから、合成薬品による皮膚障害等を生ずることがなく、また特に桃の葉エキスを加えた3種混合エキスの場合には、刺激が少なく、香気が優れた発毛抑制効果が得られるものである。
【0023】
また、本発明の発毛抑制剤の製造方法は、特殊な原料や設備を用いるものではなく、特殊な処理工程を必要とするものでもないので、製造コストを低く抑えることができ、実用的価値がきわめて高いものである。
【0024】
さらに、本発明の発毛抑制方法は、前記発毛抑制剤を汎用の塗布製品と同様に製品化して容易に且つ簡便に使用することができる。特に使い捨て用不織布に含浸させた製品とした場合には、携帯でき、より簡便に使用することができる。
実施例
【0025】
本発明で用いる白菊の花弁エキスは、白い花が咲く菊の花びら(花弁)をアルコール等の抽出溶媒によって低温若しくは常温で抽出したものである。
また、本発明で用いるごぼうの種子エキスは、ごぼうの種子をアルコール等の抽出溶媒によって低温又は常温で抽出したものである。
これらのエキス中には、天然植物(性)ホルモンであるジベレリンを含有している。そして、このジベレリンは、ある種の植物、例えばに対して発育促進をはじめ開花、発芽、肥大、着花、着果などの促進作用があり、ぶどう(デラウエア)では熟期を一ヶ月近くも早める効果があることも知られているものの、相反してぶどう(デラウエア)では、種をなくする効果があることも知られている。さらに、これをアルカリ環境下におくことにより、前者の作用を抑制し、後者の作用を優先的に作用させ得ることを見出した。そして、このような後者の作用が、人体の皮膚にも表れることを期待しつつ検討したところ、白菊の花弁エキスとごぼうの種子エキスとを混合してアルカリ側に調整することにより、皮膚の発毛を抑制する効果があることが見出されたものである。
【0026】
さらに、本発明で用いる桃の葉エキスは、桃の葉をアルコール等の抽出溶媒で低温又は常温で抽出したものである。このエキス中には、マルチフロリン、クマリン、ケンペロール等が含まれているが、これらの成分が皮膚に対する炎症やその他の障害を防止できるばかりでなく、香料としての機能を有する。したがって、桃の葉エキスは、必須成分ではない。
【0027】
本発明の発毛抑制剤用原液(以下、単に原液という)は、前記各エキスを混合して熟成した前記2種混合エキス若しくは3種混合エキスをアルカリ側に調整したものであり、熟成した後の混合エキス(=アルカリ側に調整する前)は、pHが6程度の高濃度酸性液であるが、保存に際しては、pHコントロール(=アルカリ側への調整)や希釈を行わずに混合エキスのまま保存してもよい。
また、前記各エキスを混合して3年以上熟成すると、エキスに含有する各組成物が安定し、分離したり変質、変性することがなく、また皮膚に対する馴染み感、潤滑感が発生て使用時に延びが良好である。
【0028】
本発明の原液は、前述のように特定の2種混合エキス若しくは3種混合エキスをアルカリ側に調整したものであるが、これらは多くの植物エキスの中から選択されたものであって、そのうち1種類のみ、2種類のみでは、或いは例えば1種を他の植物エキスと変更しても、十分な発毛抑制効果が得られるものではない。
また、各エキスを抽出するための抽出溶媒としては、前述のアルコール類でもよいし、アセトンやメチルエチルケトン(MEK)等のケトン類でも、クロロホルムや塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類でも、ジエチルエーテルやテトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類でも、或いは酢酸エチルや蟻酸メチル等のエステル類でもよく、二種以上を適宜選択して用いてもよい。また、抽出工程も特に限定するものではないが、成分が変質する可能性がある加熱抽出を避けて室温抽出することが好ましく、また数日間程度それぞれの花弁や種子を抽出溶媒に浸漬しておけばよい。
そして、各エキスについては、白い花の咲く菊の花弁エキス40〜60wt%、ごぼうの種子エキス40〜60wt%、桃の葉エキス0.1〜5wt%の割合で混合することにより、最も有効な発毛抑制効果が得られるものである。
【0029】
また、本発明の原液は、低温又は常温にて3年以上熟成するのであるが、この熟成工程では、熟成期間をそれ以上延ばしても、例えば5年程度熟成しても、発毛抑制に効果の向上は認められなかった。
【0030】
このような本発明の原液より、発毛抑制剤を調製するには、希釈を行えばよい。
また、前記の特定の2種混合エキス又は3種混合エキスより、発毛抑制剤を調製するには、pHコントロールと希釈とを行えばよく、その順序は限定するものではなく、同時に行ってもよいが、当然のことながら希釈を先に行う方が望ましい。
【0031】
本発明の発毛抑制剤の調製における希釈に際しては、水、或いはエタノール、ポリグリセリン等のアルコール類を希釈剤として用いることができ、希釈割合は、混合エキス5〜30重量%に対し、水又はアルコールからなる希釈剤70〜95重量%を添加して希釈することが望ましい。
【0032】
本発明の発毛抑制剤の調製におけるpHコントロールに際しては、重炭酸ナトリウム等のpH調整剤が用いられ、pH7〜9程度、好ましくはpH7〜8程度のアルカリ側に調整され、皮膚に刺激を与えないようにする。勿論pH7付近の弱アルカリに調整されることが望ましい。
【0033】
このように本発明の発毛抑制剤における2種若しくは3種の混合エキスの使用、並びにアルカリ側への調整、及び希釈は、特定されたものであって、その含有量や製造における各工程等の条件の範囲については、好ましい範囲を定めたものである。そして、従来の発毛抑制剤に比較して著しく優れた発毛抑制効果が得られるものである。
【0034】
また、本発明の発毛抑制方法は、前記発毛抑制剤を汎用の塗布製品と同様に製品化して使用するものであって、容易に且つ簡便に適用することができる。特に従来のウエットタイプのポケットティッシュのように使い捨て用不織布に含浸させた製品とした場合には、携帯でき、より簡便に使用することができる。
図の説明
その他
【0035】
【表1】
表1に示す配合組成の原液より発毛抑制剤を以下のようにして調整した。
原液を構成する2種若しくは3種の各エキスは、何れもエタノールを用いて9日間室温抽出したもので、また25℃の恒温室内で3年間熟成した。
上記の原液(混合エキス)は何れもpH6前後であったから、これに重炭酸ナトリウムを添加してpH8程度に調整した。
続いて各原液(混合エキス)A〜F5,10,15,20,15,10重量%に対し、希釈剤として水/エタノール(1/1)混合溶媒を95,90,85,80,85,90重量%添加して6種類の発毛抑制剤を調製した。
調製された発毛抑制剤は、容量100ccの蓋付きプラスチック容器に収納し、手のひらに数滴載せて皮膚に塗布するようにした。また、数枚の不織布に調製された発毛抑制剤を含浸させ、気密、液密なパックに収納し、外出した場合の携帯用とした。
【0036】
〔刺激試験〕
前記原液A〜Fより調製した6種類の発毛抑制剤を、それぞれ25〜35歳の男、女各5人ずつ(合計10人)がペアーとなり、6ペアーの各10人に、脱毛した腕部に塗布して皮膚刺激試験を行った。
試験は、早朝に1回塗布して、塗布部の変化を1,2,3日後の3回において目視により判定した。
【0037】
その結果、原液A〜Fより調製した6種類の発毛抑制剤を腕部に塗布したそれぞれ男女20人については、外観変化が全くなく、かぶれや刺激もなく、陰性と判断された。
【0038】
〔発毛抑制試験〕
刺激試験後、前記の6種類の発毛抑制剤を、刺激試験の同一のペアーによって発毛抑制試験を行った。各発毛抑制剤の5名(合計30名)の男性に関しては、髭の生える顎、又は体毛の生える足脛部を脱毛して検査部とした。また各発毛抑制剤の5名(合計30名)の女性に関しては、各人が任意に決めた体毛の生える脇、足、手などを脱毛して検査部とした。
試験は、発毛抑制剤を1回塗布して3日間放置するサイクルを4回行い、合計12日間において、各人の検査部の変化を毎日目視にて判定した。
【0039】
その結果、白菊の花弁エキスが40〜60wt%で、ごぼうの種子エキスが40〜60wt%である実施例である原液A〜Dより調製した発毛抑制剤を塗布した合計男女40名に関しては、12日間の全てにおいて脱毛状態のままであった。しかし、各エキスの配合割合が前記規定を外れる比較例である原液E及びFより調製した発毛抑制剤を塗布した男女20名については、塗布してから3日目に、個人差があるが発毛している状態を確認することができた。
【0040】
発毛抑制剤、及びその他の化粧品類に添加する添加成分として利用できる。
図面 【図1】
状態の移り変わり
2013/01/25  登録
2007/03/13  審査中
2006/04/13  公開