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出願番号特願2005-1447702005/05/17
国際出願番号
公開番号特開2006-0021472006/01/05
公表/再公表番号
国際公開番号
公告番号
請求公告番号
登録番号特許第4562585号2010/08/06
評価スコア係数
AECIL
発明の名称花粉吸着防止剤
出願人・権利者株式会社資生堂
発明者・考案者隅田如光, 宮沢和之, 佐久間健一
代理人長谷川洋子
要約

【課題】 衣服や毛髪への花粉吸着を、簡便かつ積極的に防止する花粉吸着防止剤を提供する。【解決手段】 ホスホベタイン基、カルボキシベタイン基、スルホベタイン基の中から選ばれる1種または2種以上の両性イオン基を有するモノマーユニット、および/または、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基の中から選ばれる1種または2種以上のアニオン基を有するモノマーユニット、を構成単位として含むポリマーを含有する花粉吸着防止剤、および該花粉吸着防止剤を花粉吸着防止対象物に塗布・噴霧して、花粉吸着防止対象物への花粉の吸着を防止する、花粉吸着防止方法。【選択図】 なし
請求の範囲
【請求項1】
2−(メタ)アクリロイロキシアルキルホスホリルコリン、N−(メタ)アクリロイロキシアルキルN,N−ジアルキルアンモニウム−α−N−(アルキル)カルボキシベタイン、N−ホスホリルコリン−N’−アルキレンジオキシ−ビス−アルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアンモニウム−α―N−アルキルスルホベタイン(メタ)アクリル酸の中から選ばれる1種または2種以上からなる両性イオン基を有するモノマーユニット、および/または、(メタ)アクリル酸またはその塩、2−(アクリルアミド)−2−アルキルプロパンスルホン酸またはその塩、2−(メタ)アクリロイロキシアルキレンオキシドリン酸またはその塩の中から選ばれる1種または2種以上からなるアニオン基を有するモノマーユニット(ただし上記各モノマーユニットにおいて、アルキルは炭素原子数1〜6の低級アルキルを示し、アルキレンは炭素原子数1〜6の低級アルキレンを示す。)、を構成単位として含むポリマーを含有する、花粉吸着防止剤。
【請求項2】
上記ポリマーを0.001〜10質量%含有する、請求項1記載の花粉吸着防止剤。
【請求項3】
上記両性イオン基を有するモノマーユニットを構成単位として含むポリマーが、ポリ2−(メタ)アクリロイロキシアルキルホスホリルコリン、2−(メタ)アクリロイロキシアルキルホスホリルコリン−(メタ)アクリル酸共重合体、2−(メタ)アクリロイロキシアルキルホスホリルコリン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、2−(メタ)アクリロイロキシアルキルホスホリルコリン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、2−(メタ)アクリロイロキシアルキルホスホリルコリン−1−(メタ)アクリロイロキシ2−ヒドロキシアルキル3−トリアルキルアンモニウム共重合体、N−(メタ)アクリロイロキシアルキルN,N−ジアルキルアンモニウム−α−N−(アルキル)カルボキシベタイン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、N−ホスホリルコリン−N’−アルキレンジオキシ−ビス−アルキルアクリルアミド−N−イソアルキルアクリルアミド共重合体、ポリN,N−ジ(アルキル)アンモニウム−α―N−アルキルスルホベタイン(メタ)アクリル酸の中から選ばれる1種または2種以上である、請求項1または2記載の花粉吸着防止剤。
【請求項4】
上記アニオン基を有するモノマーユニットを構成単位として含むポリマーが、ポリ(メタ)アクリル酸塩、ポリ2−(アクリルアミド)−2−アルキルプロパンスルホン酸塩、ポリ2−(メタ)アクリロイロキシアルキルリン酸、ポリ2−(メタ)アクリロイロキシアルキレンオキシドリン酸の中から選ばれる1種または2種以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の花粉吸着防止剤。
【請求項5】
水、エタノールを少なくとも含む水溶液中に上記ポリマーを配合してスプレー剤として用いる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の花粉吸着防止剤。
【請求項6】
水、エタノールを少なくとも含む水溶液中にさらに揮発性油を含む、請求項5記載の花粉吸着防止剤。
【請求項7】
水、エタノールを少なくとも含む水溶液中に上記ポリマーを配合した原液と、噴射剤を含み、原液5〜95質量部に対して噴射剤95〜5質量部の割合で配合してエアゾールタイプのスプレー剤として用いる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の花粉吸着防止剤。
【請求項8】
水、エタノールを少なくとも含む水溶液中にさらに揮発性油を含む、請求項7記載の花粉吸着防止剤。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の花粉吸着防止剤を、花粉吸着防止対象物に塗布・噴霧して、花粉吸着防止対象物への花粉の吸着を防止する、花粉吸着防止方法。
利用分野
【0001】
本発明は花粉吸着防止剤に関する。さらに詳しくは、毛髪や衣類等に塗布・噴霧することによって、これら毛髪や衣類等への花粉の吸着を未然に、簡便かつ積極的に防止する花粉吸着防止剤に関する。
従来の技術
【0002】
近年、日本人の約10人に1人、都会では5人に1人が花粉症にかかっているといわれ、いまや花粉症は国民病とまでいわれるほど患者がふえている。そのため花粉症治療剤等が数多く販売されているが、これといって画期的な効力を発揮するものはない。
【0003】
一方、予防策として、できるだけ花粉を遠ざける環境を維持する方策が挙げられ、例えば、外出から帰ったら衣服を払って、衣服に付着した花粉を落としてから家に入る、ふとんを干した後は、掃除機でふとんを吸引して花粉を吸い取る、等の方法で対処する、などの方法が講じられている。また特開2003−213541号公報(特許文献1)では、衣服の織り方を工夫して、糸の総繊度、単糸繊度、隣接する糸同士の隙間、織物表面粗さ、摩擦帯電圧等を所定の範囲値にコントロールして、衣服への花粉の吸着を防止しようとする技術も提案されているが、この場合、上述した特定の織り方をした織物を使用しなければならならず、使用上での制限がある。
【0004】
なお、特開2004−068174号公報(特許文献2)に、特定範囲の分子量および表面張力を示す、ホスホリルコリン類似基含有重合体またはポリアルキレングリコール誘導体の重合体を含有する繊維刺激抑制剤が記載されている。該文献には、従来、ホスホリルコリン類似基含有重合体が陰イオン界面活性剤の細胞毒性を緩和する効果があること、ホスホリルコリン類似基含有重合体を貴金属などの装飾品に塗布して金属アレルギーなどの刺激を低減すること、等が知られていたものの、特定の種類のホスホリルコリン類似含有重合体で繊維を処理することで特異的に繊維の刺激が低減されることについては知られていなかったところ(段落番号[0004]〜[0005])、特定範囲の分子量および表面張力を示す、ホスホリルコリン類似基含有重合体またはポリアルキレングリコール誘導体の重合体を繊維に含浸させると、元来刺激のある繊維あるいは刺激物質が付着した繊維でも刺激が抑制されるとの知見を得て発明をなしたということが記載されている(段落番号[0005]〜[0007])。そして、上記重合体を含む繊維刺激抑制剤で繊維を処理することにより、洗濯後に残留した洗剤や柔軟剤による皮膚刺激や、花粉やダニ等に由来するアレルゲン物質によるアレルギー反応を低減すること、したがって該文献の繊維刺激抑制剤により処理した繊維は、特に肌着、下着、Yシャツ、靴下、ストッキング等のヒトの皮膚に直接接触しやすい部位に使用される繊維として利用することが効果的であるということ、等が記載されている(段落番号[0047])。
【0005】
これに対し本願発明は、特定の両性イオン基を有するモノマーユニット、および/または、特定のアニオン基を有するモノマーユニットを構成単位として含むポリマーが、花粉が毛髪や衣服等に吸着することを防止する作用・効果を有することを見出したことによりなされたものであり、特許文献2に記載の発明と本願発明とはその技術的思想が全く異なる。本願発明製剤を噴霧・塗布する繊維は、特許文献2に記載の繊維刺激抑制剤とは異なり、できるだけ大気に露出した部位(上着表面、帽子、など)や、毛髪等への噴霧・塗布が効果的である。
【0006】
【特許文献1】特開2003−213541号公報
【特許文献2】特開2004−068174号公報(特許請求の範囲の欄、段落番号[0004]〜[0007]、[0047]等)
課題
【0007】
本願発明は上記従来の問題点を解決し、衣服や毛髪への花粉吸着を、簡便かつ積極的に防止する製剤を提供することを目的とする。
手段
【0008】
上記課題を解決するために本発明は、2−(メタ)アクリロイロキシアルキルホスホリルコリン、N−(メタ)アクリロイロキシアルキルN,N−ジアルキルアンモニウム−α−N−(アルキル)カルボキシベタイン、N−ホスホリルコリン−N’−アルキレンジオキシ−ビス−アルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアンモニウム−α―N−アルキルスルホベタイン(メタ)アクリル酸の中から選ばれる1種または2種以上からなる両性イオン基を有するモノマーユニット、および/または、(メタ)アクリル酸またはその塩、2−(アクリルアミド)−2−アルキルプロパンスルホン酸またはその塩、2−(メタ)アクリロイロキシアルキレンオキシドリン酸またはその塩の中から選ばれる1種または2種以上からなるアニオン基を有するモノマーユニット(ただし上記各モノマーユニットにおいて、アルキルは炭素原子数1〜6の低級アルキルを示し、アルキレンは炭素原子数1〜6の低級アルキレンを示す。)、を構成単位として含むポリマーを含有する、花粉吸着防止剤を提供する。
【0009】
また本発明は、上記ポリマーを0.001〜10質量%含有する、上記花粉吸着防止剤を提供する。
【0011】
また本発明は、上記両性イオン基を有するモノマーユニットを構成単位として含むポリマーが、ポリ2−(メタ)アクリロイロキシアルキルホスホリルコリン、2−(メタ)アクリロイロキシアルキルホスホリルコリン−(メタ)アクリル酸共重合体、2−(メタ)アクリロイロキシアルキルホスホリルコリン−(メタ)アクリル酸―(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、2−(メタ)アクリロイロキシアルキルホスホリルコリン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、2−(メタ)アクリロイロキシアルキルホスホリルコリン−1−(メタ)アクリロイロキシ2−ヒドロキシアルキル3−トリアルキルアンモニウム共重合体、N−(メタ)アクリロイロキシアルキルN,N−ジアルキルアンモニウム−α−N−(アルキル)カルボキシベタイン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、N−ホスホリルコリン−N’−アルキレンジオキシ−ビス−アルキルアクリルアミド−N−イソアルキルアクリルアミド共重合体、ポリN,N−ジ(アルキル)アンモニウム−α―N−アルキルスルホベタイン(メタ)アクリル酸の中から選ばれる1種または2種以上である、上記花粉吸着防止剤を提供する。
【0013】
また本発明は、上記アニオン基を有するモノマーユニットを構成単位として含むポリマーが、ポリ(メタ)アクリル酸塩、ポリ2−(アクリルアミド)−2−アルキルプロパンスルホン酸塩、ポリ2−(メタ)アクリロイロキシアルキルリン酸、ポリ2−(メタ)アクリロイロキシアルキレンオキシドリン酸の中から選ばれる1種または2種以上である、上記花粉吸着防止剤を提供する。
【0014】
また本発明は、水、低級アルコールを少なくとも含み、所望によりさらに揮発性油を含む水溶液中に上記ポリマーを配合してスプレー剤として用いる、上記花粉吸着防止剤を提供する。
【0015】
また本発明は、水、低級アルコールを少なくとも含み、所望によりさらに揮発性油を含む水溶液中に上記ポリマーを配合した原液と、噴射剤を含み、原液5〜95質量部に対して噴射剤95〜5質量部の割合で配合してエアゾールタイプのスプレー剤として用いる、上記花粉吸着防止剤を提供する。
【0016】
また本発明は、上記花粉吸着防止剤を、花粉吸着防止対象物に塗布・噴霧して、花粉吸着防止対象物への花粉の吸着を未然に防止する、花粉吸着防止方法を提供する。
効果
【0017】
本発明により、毛髪や衣類等に塗布・噴霧することによって、これら毛髪や衣類等への花粉の吸着を簡便にかつ積極的に防止する花粉吸着防止剤が提供される。
実施例
【0018】
本発明に係る花粉吸着防止剤は、ホスホベタイン基、カルボキシベタイン基、スルホベタイン基の中から選ばれる1種または2種以上の両性イオン基を有するモノマーユニット、および/または、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基の中から選ばれる1種または2種以上のアニオン基を有するモノマーユニット、を構成単位として含むポリマーを含有する。
【0019】
[両性イオン基を有するモノマーユニット]
ホスホベタイン基としては下記一般式(I)で表される基が好ましく、カルボキシベタイン基としては下記一般式(II)で表される基が好ましく、スルホベタイン基としては下記一般式(III)で表される基が好ましい。
【0020】

【0021】
(式(I)中、R1、R2、R3は、それぞれ独立に水素原子、あるいは炭素原子数1〜6のアルキル基を表し、nは1〜6の整数を表す)
【0022】

【0023】
(式(II)中、R4、R5は、それぞれ独立に水素原子、あるいは炭素原子数1〜6のアルキル基を表し、mは1〜6の整数を表す)
【0024】

【0025】
(式(III)中、R6、R7は、それぞれ独立に水素原子、あるいは炭素原子数1〜6のアルキル基を表し、kは1〜6の整数を表す)
【0026】
両性イオン基を有するモノマーユニットとしては、2−(メタ)アクリロイロキシアルキルホスホリルコリン、N−(メタ)アクリロイロキシアルキルN,N−ジアルキルアンモニウム−α−N−(アルキル)カルボキシベタイン、N−ホスホリルコリン−N’−アルキレンジオキシ−ビス−アルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアンモニウム−α―N−アルキルスルホベタイン(メタ)アクリル酸などが好ましいものとして挙げられるが、これら例示に限定されるものでない。上記において、「アルキル」は炭素数1〜6の低級アルキルが好ましく、「アルキレン」は炭素原子数1〜6の低級アルキレンが好ましく用いられる。
【0027】
[アニオン基を有するモノマーユニット]
カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基の中から選ばれる1種または2種以上のアニオン基を有するモノマーユニットとしては、(メタ)アクリル酸またはその塩、2−(アクリルアミド)−2−アルキルプロパンスルホン酸またはその塩、2−(メタ)アクリロイロキシアルキレンオキシドリン酸またはその塩などが好ましいものとして挙げられるが、これら例示に限定されるものでない。なお塩としては、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩、カリウム塩など)、アンモニウム塩(トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジニウム塩)などが好ましく用いられる。「アルキル」は炭素数1〜6の低級アルキルが好ましく、「アルキレン」は炭素原子数1〜6の低級アルキレンが好ましい。
【0028】
[ポリマー]
本発明の花粉吸着防止剤に含まれるポリマーは、上記両性イオン基を有するモノマーユニットの重合体、上記アニオン基を有するモノマーユニットと他のモノマーユニットとの共重合体、上記両性イオン基を有するモノマーユニットと上記アニオン基を有するモノマーユニットとの共重合体、など種々の態様を採り得る。他のモノマーユニットとしては特に限定されるものでない。本発明ではポリマー中に両性イオン基を有するモノマーユニット、特にはホスホベタイン基を有するモノマーユニットを構成単位として含むのが好ましい。
【0029】
両性イオン基を有するモノマーユニットを構成単位として含むポリマーとしては、例えば、ポリ2−(メタ)アクリロイロキシアルキルホスホリルコリン、2−(メタ)アクリロイロキシアルキルホスホリルコリン−(メタ)アクリル酸共重合体、2−(メタ)アクリロイロキシアルキルホスホリルコリン−(メタ)アクリル酸―(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、2−(メタ)アクリロイロキシアルキルホスホリルコリン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、2−(メタ)アクリロイロキシアルキルホスホリルコリン−1−(メタ)アクリロイロキシ2−ヒドロキシアルキル3−トリアルキルアンモニウム共重合体、N−(メタ)アクリロイロキシアルキルN,N−ジアルキルアンモニウム−α−N−(アルキル)カルボキシベタイン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、N−ホスホリルコリン−N’−アルキレンジオキシ−ビス−アルキルアクリルアミド−N−イソアルキルアクリルアミド共重合体、ポリN,N−ジ(アルキル)アンモニウム−α―N−アルキルスルホベタイン(メタ)アクリル酸等が挙げられるが、これら例示に限定されるものでない。上記において、「アルキル」は炭素数1〜6の低級アルキルが好ましく、「アルキレン」は炭素原子数1〜6の低級アルキレンが好ましい。
【0030】
上記ポリマーの具体例として、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスホリルコリン−(メタ)アクリル酸ブチルエステル共重合体、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−カルボキシベタイン・(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル共重合体、N−ホスホリルコリン−N’−エチレンジオキシ−ビス−イソプロピルアクリルアミド−N−イソプロピルアクリルアミド共重合体、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・(メタ)アクリル酸ブチルエステル共重合体、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスホリルコリン−1−(メタ)アクリロイロキシ2−ヒドロキシプロピル3−トリメチルアンモニウム共重合体、ポリN,N−ジメチルアンモニウム−α―N−メチルスルホベタイン(メタ)アクリル酸などが挙げられるが、これら例示に限定されるものでない。
【0031】
該両性イオン基を含むモノマーユニットを構成単位として含むポリマーとしては、例えば「ユカフォーマーAM−75」(三菱化学(株)製品)等として市販されており、これらを好適に用いることができる。
【0032】
アニオン基を有するモノマーユニットを構成単位として含むポリマーとしては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸塩、ポリ2−(アクリルアミド)−2−アルキルプロパンスルホン酸塩、ポリ2−(メタ)アクリロイロキシアルキルリン酸、ポリ2−(メタ)アクリロイロキシアルキレンオキシドリン酸等が挙げられるが、これら例示に限定されるものでない。塩としてはアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩、カリウム塩など)、アンモニウム塩(トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジニウム塩)等が好ましい。
【0033】
上記ポリマーの具体例として、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ポリ2−(アクリルアミド)−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルリン酸、ポリ2−(メタ)アクリロイロキシエチレンオキシドリン酸などが挙げられるが、これら例示に限定されるものでない。
【0034】
該アニオン基を有するモノマーユニットを構成単位として含むポリマーとしては、例えば「Lipidure−PMB」(日本油脂(株)製)等として市販されており、これらを好適に用いることができる。
【0035】
本発明花粉吸着防止剤の剤型は、スプレー、ローション等、任意の剤型とすることができ、特に限定されるものではないが、使用性等の点からスプレーとして用いるのが好ましい。
【0036】
スプレーとして用いる場合、水、低級アルコール(例えばエチルアルコール等)、さらには所望により揮発性油(低沸点鎖状シリコーン油や環状シリコーン油、低沸点イソパラフィン系炭化水素油など)を含む水溶液を原液として用い、該原液中に上記両性イオン基を有するポリマー、アニオン基を有するポリマーを配合するのが好ましい。
【0037】
また、エアゾールタイプのスプレーとして用いる場合、上記ポリマーを配合した原液を噴射剤とともにエアゾール容器に加圧封入する。噴射剤としては、プロパン、ブタンおよびイソブタンを主成分とする液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)および炭酸ガス、窒素ガス等の圧縮ガス等の単独またはそれらの混合物を使用することができる。中でも液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)等が好ましく用いられる。原液と噴射剤との配合比は、原液5〜95質量部に対して噴射剤95〜5質量部であれば調整でき、30〜70質量部に対して、70〜30質量部であることが好ましい。
【0038】
本発明花粉吸着防止剤において、上記ポリマーの配合量は、花粉吸着防止剤全量中に0.001〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜10質量%である。
【0039】
本発明花粉吸着防止剤には、本発明の効果を損なわない質的、量的範囲内で、必要に応じて、さらに、高級アルコール、酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属封鎖剤、保湿剤、香料、防腐剤、界面活性剤、消臭剤(例えばシリカゲル等)、固着剤等や、上記両性イオン基、アニオン基以外のイオン基、すなわち例えばカチオン系ポリマー、ノニオン系ポリマーや、シリコン系ポリマー等を配合してもよい。
【0040】
本発明花粉吸着防止剤の使用方法としては、例えばスプレーの場合、花粉吸着を防止したい対象物(衣服、毛髪、など)にあらかじめ噴霧しておくことにより、これら対象物への花粉の吸着を積極的に防止することができる。これにより、例えば従来、外出から帰ったら衣服を払って、衣服に付着した花粉を落としてから家に入る、ふとんを干した後は、掃除機でふとんを吸引して花粉を吸い取る、等の方法で花粉の家の中への持込み・侵入をふせいでいたのを、あらかじめ衣服、ふとん等に本願発明花粉吸着防止剤をスプレー噴霧しておくことにより、花粉の吸着を防止することができ、花粉の家の中への持込み・浸入を容易かつ簡便に防ぐことができる。
【0041】
また本発明の花粉吸着防止剤による花粉吸着防止効果は持続性に優れる一方、洗浄等により容易に除去することができる。また噴霧による使用感の変化(べたつき等)もなく使用感にも優れる。
【0042】
噴霧・塗布は花粉に接触しやすい部位(例えば衣服であれば上着等)に塗布・噴霧するのが好ましい。
【0043】
吸着を防止する花粉は、スギ、ブタクサ等の花粉が一例として挙げられるが、これら例示に限定されるものでない。
図の説明
その他
【0044】
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限り、その成分が配合される系に対する質量%で示す。
【0045】
〈ポリマー〉
ポリマーとして以下の各ポリマーを用いた。
【0046】
[両性イオン基を有するモノマーユニットを構成単位として含むポリマー]
ポリマー1: 2−メタクリロイロキシエチルホスホリルコリン−メタクリル酸ブチルエステル共重合体
ポリマー2: N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−カルボキシベタイン・メタクリル酸ヘキシルエステル共重合体
【0047】
[アニオン基を有するモノマーユニットを構成単位として含むポリマー]
ポリマー3: ポリアクリル酸ナトリウム
ポリマー4: ポリ2−(アクリルアミド)−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム
【0048】
[カチオン系ポリマー]
ポリマー5: ポリリジン
ポリマー6: ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル
【0049】
[シリコン系ポリマー]
ポリマー7: ポリジメチルシロキサン
【0050】
[ノニオン系ポリマー]
ポリマー8: ポリメタクリル酸メチル
【0051】
(実施例1)
ポリマー1の濃度を0.0001、0001、0.01、0.1、1.0、10質量%濃度で配合した溶液(ポリマー溶液)を調製した。
【0052】
それぞれのポリマー溶液100mL中に、それぞれ市販品マスク(不織布使用)を60秒間浸漬した後、該マスクを取り出し、これを室温で一晩放置して乾燥させたものを試料とした。
【0053】
これら試料と、スギ花粉10mgを容器内に入れて密閉し、30分間振盪した後、試料を取り出し、光学顕微鏡で観察し、試料表面に吸着したスギ花粉数(1mm2あたり個数)を調べた。試験を3回行い、その平均値をとった。結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
表1に示す結果から明らかなように、ポリマー溶液の配合濃度は0.001〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜10質量%である。
【0056】
(実施例2)
上記ポリマー1〜8を、それぞれエタノールに0.1質量%濃度で配合した溶液(ポリマー溶液)を調製した。
【0057】
これらポリマー溶液100mL中に、それぞれ市販品マスク(不織布使用)を60秒間浸漬した後、該マスクを取り出し、これを室温で一晩放置して乾燥させたものを試料とした。なお、ポリマー液への浸漬を行わない未処理のマスクを対照試料とした。
【0058】
これら試料と、スギ花粉10mgを容器内に入れて密閉し、30分間振盪した後、試料を取り出し、光学顕微鏡で観察し、試料表面に吸着したスギ花粉数(1mm2あたり個数)を調べた。試験を3回行い、その平均値をとった。結果を表2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】
上記表2に示す結果から明らかなように、両性イオン系ポリマー(両性イオン基を有するポリマー)、アニオン系ポリマー(アニオン基を有するポリマー)を用いたものでは、極めて優れた花粉の吸着防止効果が得られた。
【0061】
以下に本発明花粉吸着防止剤の処方例として実施例3〜12を示す。
【0062】
(実施例3 エアゾールスプレー)
(配 合 成 分) (質量%)
ポリアクリル酸ナトリウム 0.1
セチルアルコール 0.1
エチルアルコール 50.0
精製水 10.0
香料 適 量
キレート剤 適 量
ジメチルエーテル(噴射剤) 残 部
【0063】
(実施例4 エアゾールスプレー)
(配 合 成 分) (質量%)
2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスホリルコリン−(メタ)アクリル酸
−(メタ)アクリル酸ブチルエステル共重合体 0.2
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.1
エチルアルコール 50.0
精製水 10.0
香料 適 量
ジメチルエーテル(噴射剤) 残 部
【0064】
(実施例5 エアゾールスプレー)
(配 合 成 分) (質量%)
N−ホスホリルコリン−N’−エチレンジオキシ−ビス−イソプロピル
アクリルアミド−N−イソプロピルアクリルアミド共重合体 0.1
エチルアルコール 35.0
精製水 10.0
シリカゲル 1.0
液化プロパンガス(噴射剤) 残 部
【0065】
(実施例6 エアゾールスプレー)
(配 合 成 分) (質量%)
N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−
メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチルエステル共重合体 2.0
ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール−25/30コポリマー 0.5
エチルアルコール 35.0
精製水 10.0
窒素ガス(噴射剤) 残 部
【0066】
(実施例7 ミストスプレー)
(配 合 成 分) (質量%)
2−メタクリロイロキシエチルホスホリルコリン−1−メタクリロイロキシ
2−ヒドロキシプロピル3−トリメチルアンモニウム共重合体 0.1
エチルアルコール 10.0
フェノキシエタノール 0.2
1,3−ブチレングリコール 10.0
精製水 残 部
【0067】
(実施例8 ローション)
(配 合 成 分) (質量%)
2−メタクリロイロキシエチルホスホリルコリン−メタクリル酸ブチル
エステル共重合体 0.3
ポリアクリル酸ナトリウム 0.1
エチルアルコール 2.0
フェノキシエタノール 0.2
1,3−ブチレングリコール 10.0
ナイロンパウダー 1.0
亜鉛華 1.0
精製水 残 部
【0068】
(実施例9 スプレー)
(配 合 成 分) (質量%)
2−メタクリロイロキシエチルホスホリルコリン−1−メタクリロイロキシ
2−ヒドロキシプロピル3−トリメチルアンモニウム共重合体 0.2
N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−
メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチルエステル共重合体 2.0
エチルアルコール 12.0
フェノキシエタノール 0.2
ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体
1.0
精製水 残 部
【0069】
(実施例10 スプレー)
(配 合 成 分) (質量%)
2−メタクリロイロキシエチルホスホリルコリン−1−メタクリロイロキシ
2−ヒドロキシプロピル3−トリメチルアンモニウム共重合体 0.2
ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール−25/30コポリマー 0.2
エチルアルコール 30.0
フェノキシエタノール 0.2
精製水 残 部
【0070】
(実施例11 ローション)
(配 合 成 分) (質量%)
2−メタクリロイロキシエチルホスホリルコリン−メタクリル酸ブチル
エステル共重合体 0.3
酸化チタン 2.0
スルホ石炭酸亜鉛 0.2
フェノキシエタノール 0.2
アスコルビン酸2−グルコシド 2.0
クエン酸 適 量
水酸化カリウム 適 量
精製水 残 部
【0071】
(実施例12 スプレー)
(配 合 成 分) (質量%)
2−メタクリロイロキシエチルホスホリルコリン−1−メタクリロイロキシ
2−ヒドロキシプロピル3−トリメチルアンモニウム共重合体 0.1
エタノール 40.0
POEオレイルアルコールエーテル 0.2
フェノキシエタノール 0.2
2−エチルヘキシルステアレート 2.0
2−ヒドロキシー4−メトキシベンゾフェノンジベンゾイルメタン誘導体 2.0
精製水 残 部
状態の移り変わり
2010/08/06  登録
2007/09/11  審査中
2006/01/05  公開